大腸分泌系上皮細胞の可塑性による新たな組織再生・腫瘍発生機構を解明

ad
―炎症性腸疾患における粘膜再生治療の開発や腫瘍発生機構の解明に期待―

平成29年12月8日

国立大学法人東京医科歯科大学
国立研究開発法人日本医療研究開発機構

  • 大腸分泌系上皮細胞(ATOH1陽性細胞)は大腸幹細胞から分化し生体恒常性を維持しています。
  • 本研究では大腸分泌系上皮細胞が大腸幹細胞の機能を再獲得する「可塑性」を発揮できることを発見しました。
  • 平常時と比べより多くの大腸分泌系上皮細胞が「可塑性」を発揮することにより、大腸炎で傷害された粘膜が修復される機構を見出しました。
  • 炎症を母地とする大腸腫瘍においても大腸分泌系上皮細胞が「可塑性」を発揮し、腫瘍幹細胞の機能を獲得していることを示しました。

東京医科歯科大学・再生医療研究センター(岡本隆一教授)および大学院医歯学総合研究科消化器病態学分野(渡辺守教授(副学長・理事)、石橋史明大学院生ら)の研究グループは、大腸上皮に内在する分泌系上皮細胞(ATOH1陽性細胞)が幹細胞性を再獲得する「可塑性」を発揮し、これにより大腸粘膜の恒常性だけでなく、大腸炎における組織再生や大腸炎を母地とする腫瘍の発生に貢献していることを発見しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに日本医療研究開発機構「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」の支援で実施され、その研究成果は、国際科学誌Stem Cell Reports(ステム・セル・リポーツ)に、2017年12月7日午前12時(米国東部時間)にオンライン版で発表されます。

ad

医療・健康
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました