沖縄本島南部・南城市にある玉城城跡は、沖縄本島南部の城跡です。
琉球王国以前のグスク時代に築かれたと伝わる歴史的な城跡で、標高約180mの高台に位置し、古代から信仰の場としても大切にされてきました。今回は実際に訪れた際の様子を、写真とともにご紹介します。
案内板で知る玉城城の歴史

現地の案内板によれば、玉城城は別名「アマツ城」とも呼ばれ、築城の年代は不明ですが、神話時代からの伝承に関わる城とされています。
南城市のHPには、「琉球を開いた神・「が築いたと言われています。久高[ くだか]島や沖縄本島の中南部が見渡せる高台にあります。城は、主郭[ この郭とは城にある段差の意味です。]のほか、二の郭、三の郭で構成されていましたが、そのほとんどは戦後、米軍施設の建築材料として持ち出されたため、現在はあまりその姿は残っていません。玉城城跡は昭和62年[ 1987年]、国から史跡に指定されています。」とあります。
・https://www.city.nanjo.okinawa.jp/movie_library/movie_ja/1579046288/1579231589/
城は3つの郭(曲輪)で構成され、王や神を祀る祭祀の場であったと考えられています。現在も拝所(うがんじゅ)が残り、地域の人々の信仰の対象です。
城壁に守られたグスク



鬱蒼とした緑の中に石積みの城壁が姿を現します。自然の地形を活かして築かれた石垣は、当時の築城技術の高さを感じさせます。階段を上ると城壁の上へと続き、グスク独特の雰囲気に包まれます。
神秘的な城門

玉城城で特に有名なのが、この自然の岩をくり抜いた「門」です。丸く穿たれた穴はからは、朝日が郭内に差し込み、また、通して見る青空や景色は、まるで異界への入り口のように神秘的。古来より祭祀に使われたと考えられ、今も多くの人の心のよりどころとされるのが分かります。

郭内の拝所

城内には小さな拝所(御嶽)が残っています。石を積んだ祠の前には今も供え物がされ、地域の人々が大切に祈りを捧げていることが伺えます。観光地でありながら、信仰の場としての空気が漂っています。
城から望む絶景

城跡の高台からは、太平洋を一望できます。晴れた日には久高島や知念半島まで見渡すことができ、ヤハラヅカサや東御廻り(あがりうまーい)の海と空の広がりが心を打ちます。古代の人々がここに城を築いた理由がよくわかる風景です。
まとめ
玉城城跡は、単なる史跡ではなく、今も祈りの場として生き続ける場所です。自然と歴史が融合した独特の雰囲気があり、訪れる人を神秘的な気持ちにさせてくれます。南城市を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。


