那覇市の国際通りといえば、沖縄観光の中心地。活気あふれるショップやレストランが立ち並び、昼夜を問わず人々でにぎわうスポットです。しかし、その喧騒からほんの一歩裏へ入ると、思いがけず静寂と歴史が広がっています。その象徴が「亀甲墓(かめこうばか)」です。
亀甲墓とは?

沖縄独自の墓制である亀甲墓は、亀の甲羅に似た形状からその名が付けられました。17世紀頃から普及したと言われ、丸みを帯びた屋根と堅牢な石積みが特徴です。
家族単位で埋葬する「家墓」の文化が色濃く表れており、沖縄の人々の祖先崇拝と生活文化を映し出す重要な存在です。
国際通りの裏手に現れる亀甲墓は、近代的なビルに囲まれながらも、時の流れを超えて静かに佇んでいます。現代の都市空間の中に突如現れるその姿は、歴史と日常が交錯する沖縄らしい風景とも言えるでしょう。
都会の中の“静けさ”に触れる

(Google map 2025より)
観光客でにぎわう国際通りから1分、舗道を曲がると目の前に現れるのは、苔むした石積みと木々に包まれた亀甲墓。

石壁には長い年月の風雨が刻んだ跡があり、緑に覆われたその姿は自然と歴史の調和を感じさせます。
隣接する現代的なマンションとの対比もまた印象的で、「今」と「昔」が同居する那覇の独特な時間感覚を体感できます。

旅の途中に立ち寄りたい理由
- 歴史を感じる散策
沖縄の祖先崇拝文化や、戦前から続く都市の記憶に触れることができます。 - 街歩きのアクセントに
国際通りでの買い物や食事に疲れたら、静けさを求めて足を伸ばしてみるのもおすすめ。 - フォトジェニックな風景
ビル街の中に突然現れる苔むした墓は、他では見られない独特の景観を楽しめます。
旅のヒント
- 亀甲墓は「観光施設」ではなく、地域の人々の大切な墓所です。見学の際は静かに、敬意を持って立ち寄りましょう。
- 国際通りから徒歩圏内なので、ショッピングやグルメ巡りの合間に訪れるのが便利です。
終わりに
国際通りの裏にひっそりと佇む亀甲墓は、那覇という街の多層的な魅力を象徴する場所です。表通りのにぎやかさと、裏通りの静謐な歴史。その両方を体験することで、旅は一層豊かなものになるでしょう。
沖縄を訪れた際に、国際通りだけでなく、その裏に眠る歴史の声にも耳を傾けてみるのいいかもしれません。

