生体・位置情報計測機器を用いたチームスポーツ用マネジメントシステムを開発

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選手の動きをリアルタイムに把握、高度な戦術立案・チームマネジメントを実現

2019-12-09 新エネルギー・産業技術総合開発機構

NEDOの「生体情報のリアルタイム計測デバイスの開発」プロジェクトの成果を活用し、アジア航測(株)などは、スポーツ選手用の生体・位置情報計測機器(リアルタイムセンシングデバイス)を用いたチームスポーツ向けの戦術立案・チームマネジメントシステムを開発しました。

リアルタイムセンシングデバイスを人体に装着し、位置情報センサー・心拍センサー・9軸センサーで取得した情報を用いて、走行距離、トップスピード、加減速回数などのパフォーマンスをコーチ・監督向けに定量化・可視化することで、プレー成功率の予測や選手の交代タイミングなど、監督・コーチの意思決定支援や選手とのコミュニケーションの円滑化を実現し、高度な戦術立案を可能にします。

今後、アジア航測(株)は、開発したシステムの早期の事業化を進め、スポーツ×IoT×AIによるインテリジェンスプラットフォームビジネスの実現を目指します。

なお、アジア航測(株)は、2020年1月7日から10日まで、米国ラスベガスで開催される「CES 2020」に出展し、本成果に関するデモンストレーションを実施します。

生体・位置情報計測機器を用いたチームスポーツ用マネジメントシステムを開発

図 チームスポーツ用マネジメントシステム「SENQ(センク)」のイメージ

1.概要

IoT技術の進展に伴って、人の高精度な位置情報やリアルタイムの生体情報を計測・蓄積して解析することで、新たな価値やサービスを創造するニーズが高まっています。スポーツ分野でもそれらの解析を活用した選手のパフォーマンスの定量化・可視化が期待されています。

2017年3月、経済産業省およびIoT推進ラボが開催した、第3回先進的IoTプロジェクト選考会議(IoT Lab Selection)※1において、アジア航測株式会社、美津濃株式会社、学校法人関西大学の合同チームがファイナリストに選定されました。その後、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業※2において、アジア航測(株)などは、2017年度にスポーツ選手の人体に装着できる生体・位置情報計測機器(リアルタイムセンシングデバイス)を開発し、デバイスに搭載した位置情報センサー・心拍センサー・9軸センサー※3によって試合中の選手1人1人のパフォーマンスに関連する情報を、複数のデバイスから同時に高精度に取得するシステムを構築しました。一般的なデバイスで取得する位置情報は、数メートルから数十メートルの精度誤差が生じますが、アジア航測(株)などが開発したデバイスは、日本の準天頂衛星を含むGNSS(全球測位衛星システム)※4を活用したReal Time Kinematic(RTK)処理※5によって、誤差1メートル未満と極めて高精度に位置情報を取得することに成功しました。また、心拍センサーや9軸センサーと組み合わせることでより高精度に選手のパフォーマンスを測定することが可能となります。さらに、取得した選手の情報をコーチや監督向けに可視化するシステムのプロトタイプを構築しました。

そして、同事業終了後もアジア航測(株)などがシステムの開発を進めたことで、今般、チームスポーツ用マネジメントシステム「SENQ(センク)」を構築しました。SENQは、試合中のスポーツ選手の高精度な位置情報や動作・心拍情報をリアルタイムに収集・解析することで、走行距離、トップスピード、加減速回数などのパフォーマンスを定量化・可視化し、プレー成功率の予測、選手の交代タイミングなど、監督・コーチの意思決定支援や選手とのコミュニケーションの円滑化を実現し、高度な戦術立案・チームマネジメントを可能にするシステムです。

なお、アジア航測(株)は、2020年1月7日から10日まで、米国ネバダ州ラスベガスで開催される「CES 2020」Eureka Park内JAPAN TECHブースに出展し、本成果に関するデモンストレーションを実施します。SENQの詳細につきましては、CES 2020に向けてSENQの公式ウェブサイトで順次配信されていく予定です。

今後、アジア航測(株)は、美津濃(株)、関西大学とともに、早期にSENQの事業化を進め、同システムの普及を通じて、プロ選手から一般ユーザーまで広く提供できるスポーツ×IoT×AIによるインテリジェンスプラットフォームビジネスの実現を目指します。

【注釈】
※1 先進的IoTプロジェクト選考会議(IoT Lab Selection)
2015年から2019年にかけて6回開催された、成長性・先導性、波及性、オープン性、社会性などの観点から優れたIoTプロジェクトを選定し、官民合同による資金支援や規制などに関する支援を行う会議。

 「IoT推進ラボ」合同イベントを開催します~「IoT Lab Selection」ファイナリストが決定しました!~

(METI/経済産業省)

※2 NEDOの委託事業
事業名:IoT社会の実現に向けたIoT推進部実施事業の周辺技術・関連課題における小規模研究開発/生体

情報のリアルタイム計測デバイスの開発

事業期間:2017年度

※3 9軸センサー
前後方向、左右方向、上下方向の3方向について計測可能な加速度センサー、角加速度センサー、方位センサーの3つの機能を持ったセンサー。
※4 GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)
GPSや日本の準天頂衛星を含む、衛星からの電波を用いた位置情報測位システムの総称。
※5 Real Time Kinematic(RTK)処理
国土地理院によって地上に設置された電子基準点からの測位情報を用いて、デバイスで取得したGPSなどの位置情報を補正することで、より高精度な位置情報を得るための技術。
2.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部 担当:大宮 

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:中里、坂本、佐藤 

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