2025-12-16 オックスフォード大学
デングウイルス感染症で入院する中等症~重症患者を対象に、史上最大規模となる治療法臨床試験「DEN-HOST試験」が国際共同研究として開始された。本試験は、オックスフォード大学パンデミック科学研究所、シンガポールのPREPARE、オックスフォード大学臨床研究ユニット(OUCRU)などが連携し、アジアおよび中南米の10か国以上で実施される無作為化・プラセボ対照・適応型試験である。デング熱は世界人口の約40%が流行地域に居住し、年間約1億人が発症、4万人が死亡すると推定されるが、有効な治療薬は未だ存在しない。DEN-HOST試験では、免疫反応の過剰が重症化に関与するとの知見に基づき、バリシチニブ、デキサメタゾン、N-アセチルシステインの3剤を検証する。約8,000人の登録を目標とし、標準化された評価指標を用いて、重症化防止と予後改善を目指す本研究は、将来の国際的治療ガイドライン策定に大きく貢献すると期待されている。

Aedes aegypti mosquito.Image credit: Getty Images (TacioPhilip)
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