理化学研究所

次世代リプログラミング因子KLF4改変体の開発~iPS細胞をより高効率・高品質に作製~ 細胞遺伝子工学

次世代リプログラミング因子KLF4改変体の開発~iPS細胞をより高効率・高品質に作製~

iPS細胞をより高効率・高品質に作製できるKLF4タンパク質改変体を開発しました。iPS細胞作製の際に必要なリプログラミング因子の一つであるKLF4タンパク質において、DNAと直接相互作用するアミノ酸残基の改変体を多数作製しました。その中から「KLF4 L507A改変体(ヒトKLF4の507番目のアミノ酸残基ロイシンをアラニンに置換したもの)」を用いてiPS細胞を作製したところ、迅速、かつ高効率で、高品質なiPS細胞株を樹立できることが分かりました。
シグナル伝達複合体の2段階活性化~GPCRによるアレスチンの動的な活性化機構を解明~ 医療・健康

シグナル伝達複合体の2段階活性化~GPCRによるアレスチンの動的な活性化機構を解明~

医薬品の結合に伴うGPCRの膜貫通領域(TMコア)の活性化とC末端領域(Cテール)のリン酸化が、アレスチンとのシグナル伝達複合体の形成にどのような役割を果たしているかを解析しました。GPCRとアレスチンは、まずリン酸化されたCテールを介した強い結合によりGPCR-アレスチン複合体を形成し、続いて起こるTMコアとの弱い結合がアレスチンに大きな構造変化を導き、活性化させるという、2段階の動的な過程を示すことが明らかになりました。
ウイルスによる細胞のストレス応答抑制機構の解明~ウイルスタンパク質による神経保護治療の可能性を探る~ 医療・健康

ウイルスによる細胞のストレス応答抑制機構の解明~ウイルスタンパク質による神経保護治療の可能性を探る~

宿主細胞のストレス応答を逃れて増殖するウイルスの分子機構を解明し、この分子機構を応用することで神経細胞の変性を抑制できることを示しました。細胞がウイルス感染を検知して翻訳を止める「ストレス応答経路」の解明や、ストレス応答経路が病態に深く関与している神経変性疾患の治療法の開発につながるものと期待できます。
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新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞~体内に存在するもう一つの防御部隊~ 医療・健康

新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞~体内に存在するもう一つの防御部隊~

ヒトの体内に存在する季節性コロナウイルスに対する「記憶免疫キラーT細胞」が認識する抗原部位を発見し、その部位が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質(Sタンパク質)領域にも強く交差反応することを示しました。
細胞がグルコース代謝量を制御する巧妙な仕組み~細胞中のATP濃度に依存した酵素活性の新たな制御機構の解明~ 生物化学工学

細胞がグルコース代謝量を制御する巧妙な仕組み~細胞中のATP濃度に依存した酵素活性の新たな制御機構の解明~

グルコースからアデノシン三リン酸(ATP)を合成する解糖系酵素の一つであるホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)が、細胞内ATP濃度に応じてブドウ糖(グルコース)代謝量(解糖流量)を制御していることを発見しました。
「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発 生物環境工学

「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発

生物集団の移動軌跡から相互作用の規則、例えば「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を新たに開発しました。これまで概念的であった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法が開発されました。
腸内細菌叢の状態を細胞画像から読み解く~深層学習を活用した新たな解析手法を開発~ 医療・健康

腸内細菌叢の状態を細胞画像から読み解く~深層学習を活用した新たな解析手法を開発~

糞便の顕微鏡画像を入力データとして深層学習に与えることで、糞便画像から腸内細菌叢の状態を推定する手法を開発しました。アンプリコンシーケンス解析によって得られた腸内細菌叢の組成比を、糞便画像から高精度で予測することに成功しました。
生命誕生初期のタンパク質を再現する試み~7種類のアミノ酸で古代タンパク質は創れる~ 細胞遺伝子工学

生命誕生初期のタンパク質を再現する試み~7種類のアミノ酸で古代タンパク質は創れる~

原始的なタンパク質構造と考えられているDouble-psi-beta-barrel(DPBB)の誕生・進化過程を実験的に再現しました。現在の生物が持つDPBBの構造および配列情報を基に祖先の配列を推定し、古代に存在したと考えられるDPBBを再構成したところ、最も単純な古代DPBB構造は7種類のアミノ酸50個程度からなる短いペプチド配列で成立することが分かりました。これら7種のアミノ酸はコドン表においてまとまった位置に局在しており、太古の原始的なタンパク質合成システムによってDPBBが生産されていた可能性が示されました。
アストロサイトが担うシナプス制御メカニズムを発見~GluN2C-NMDA受容体がシナプス強度分布幅を拡大する~ 医療・健康

アストロサイトが担うシナプス制御メカニズムを発見~GluN2C-NMDA受容体がシナプス強度分布幅を拡大する~

脳内のアストロサイトに発現するグルタミン酸受容体の一つであるGluN2C-NMDA受容体が、海馬の神経細胞間の情報の伝わりやすさを調整することを発見しました。
人工知能で酵素を自動設計 〜 様々な機能性タンパク質開発の加速に期待 〜 有機化学・薬学

人工知能で酵素を自動設計 〜 様々な機能性タンパク質開発の加速に期待 〜

人工知能と実験を組み合わせる手法を酵素タンパク質の機能改変に適用し、目的とする機能性タンパク質を従来の方法よりも少ない実験で効率よく得ることに成功しました。この実験で得られたペプチド転移酵素は、触媒機能が5倍向上しました。
ステロイド関連大腿骨頭壊死症の発生に関わる遺伝子を同定~病態解明の突破口に~ 医療・健康

ステロイド関連大腿骨頭壊死症の発生に関わる遺伝子を同定~病態解明の突破口に~

日本人と韓国人合わせて約13万人からなるアジア人集団の遺伝情報を用いてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、「全身性エリテマトーデス(SLE)患者に伴うステロイド関連大腿骨頭壊死症(S-ONFH)」の発生に関わる疾患感受性領域を新たに3カ所同定しました。
B型肝炎ウイルスは肝臓がんの染色体転座を引き起こす~長鎖シークエンサーを用いたがん全ゲノム解析~ 医療・健康

B型肝炎ウイルスは肝臓がんの染色体転座を引き起こす~長鎖シークエンサーを用いたがん全ゲノム解析~

B型肝炎から発生した肝臓がんのゲノム解析により、B型肝炎ウイルス(HBV)のゲノムが肝臓がんのゲノムに組み込まれ、「染色体転座」を引き起こすことを発見しました。
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