細胞外の脂質代謝がアレルギーの感受性を決める

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2024-07-13 東京大学

発表のポイント

  • アレルギー反応を引き起こすマスト細胞は隣り合う線維芽細胞と相互作用することで成熟しますが、この細胞間コミュニケーションの理解はこれまで不十分でした。
  • マスト細胞から分泌される脂質分解酵素により細胞外で作り出される脂質代謝物が、この細胞間コミュニケーションを統合し、マスト細胞を成熟させることを発見しました。
  • 本経路を阻害するとマスト細胞の成熟とアレルギー反応が妨げられることから、本経路を標的とした創薬はアレルギー疾患の予防治療法の開発につながることが期待されます。

細胞外の脂質代謝がアレルギーの感受性を決める

概要

東京大学大学院医学系研究科の村上誠教授、武富芳隆講師は、同大学院薬学系研究科の青木淳賢教授、医学系研究科の小田吉哉特任教授、東京理科大学生命医科学研究所の松島綱治教授、みさと健和病院内科アレルギー科の岡山吉道部長、広島大学大学院統合生命科学研究科の中江進教授、京都薬科大学病態薬科学系の田中智之教授、秋田大学大学院医学系研究科の石井聡教授、および米国サンフォード・バーナム・プレビーズ医学研究所の Jerold Chun(ジェロルド・チュン)教授らとの共同研究により、マスト細胞(注1)と線維芽細胞(注2)の相互作用により放出される細胞外小胞(注3)の膜上で起こる脂質代謝が、線維芽細胞との細胞間コミュニケーションを介してマスト細胞の成熟を制御し、アレルギー感受性を決めることを世界に先駆けて解明しました。本研究成果は、米国の医学・生物学を扱うセル出版(Cell Press)が発行する学術雑誌『Immunity(イムニティ)』のオンライン版に2024年7月12日(米国東部時間)に公開されました。

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医療・健康
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