2025-03-11 インペリアル・カレッジ・ロンドン (ICL)
New antibody therapies could offer alternative to current treatments.
インペリアル・カレッジ・ロンドンを中心とする研究チームは、HIV治療において免疫ベースの新たな療法が有望であることを示す初期試験結果を発表しました。この研究では、68名のHIV感染者を対象に、広範囲中和抗体(bNAbs)と呼ばれる2種類の長時間作用型免疫療法の効果を評価し、抗レトロウイルス薬(ART)を中断した状態でのウイルス制御を観察しました。その結果、bNAbsを投与された参加者の約75%が、20週間の期間中、ARTなしでウイルスを制御できたのに対し、プラセボ群では制御が困難でした。さらに、bNAbs療法はHIV感染の「リザーバー」と呼ばれる潜伏感染細胞のサイズを有意に減少させ、一部の参加者では検出不可能なレベルにまで達しました。これらの結果は、HIV治療における免疫応答の活用可能性を示し、将来的な治療戦略の新たな道を開くものと期待されています。
<関連情報>