骨インプラントへの抗生物質高速充填を可能にする表面技術(Innovative Surfaces to Rapidly Load Bone Implants with Antibiotics)

フラウンホーファーIFAM(製造技術・応用材料研究所)の研究チームは、骨インプラント表面に抗生物質を迅速かつ効率的に固定できる新しい「多孔質表面処理技術」を開発した。従来の方法では抗生物質の塗布やコーティングに時間がかかり、薬剤放出量の制御も難しかったが、本技術では数秒以内に薬剤を吸着させ、感染予防に十分な濃度を保持できる。表面構造はレーザーとプラズマ処理によりナノ～ミクロスケールで精密加工され、親水性を高めることで薬剤の浸透と結合を促進する。研究チームは、整形外科手術後の感染リスクを低減し、患者の回復期間短縮と抗生物質使用量削減に貢献できると説明。今後はチタンやセラミック製インプラントへの適用拡大と、臨床試験を視野に産業パートナーと共同開発を進める予定である。