消毒薬のウイルスに対する残留消毒効果の評価

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ヒト皮膚上のウイルスの生存時間を大幅に短縮させる方法を構築

2021-11-29 京都府立医科大学,科学技術振興機構

ポイント
  • 手指衛生に使用される消毒薬を手に塗布して乾燥した後も消毒効果が残存する(残留消毒効果がある)か、正確に評価できるモデルを構築し、手指衛生に使用される消毒薬の残留消毒効果を評価した。
  • エタノールやイソプロパノールなどのアルコール系消毒薬には残留消毒効果がほとんど認められなかった。一方でグルコン酸クロルヘキシジン・塩化ベンザルコニウムなどの消毒薬には残留消毒効果が認められた。
  • 比較的高濃度である0.2パーセント塩化ベンザルコニウムは特に強い残留消毒効果を示し、新型コロナウイルス、ヒトコロナウイルス、インフルエンザウイルスの生存時間を、それぞれ665分から5分(1パーセント未満)、1285分から12分(1パーセント未満)、121分から4分(3パーセント)に短縮し、この強い残留消毒効果は皮膚に塗布した後、長時間(4時間程度)にわたり維持された。
  • 強い残留消毒効果を持つ消毒剤を皮膚に塗布することで、ウイルスが生存しにくい皮膚表面を創出することができ、現行の手指衛生を強力にサポートする革新的な接触感染予防法となることが期待される。

京都府立医科大学 大学院医学研究科 消化器内科学 廣瀬 亮平 助教、伊藤 義人 教授、法医学 池谷 博 教授、感染病態学 中屋 隆明 教授ら研究グループは、手指衛生に使用される消毒薬の残留消毒効果(塗布して乾燥した後も残存する消毒効果)を正確かつ客観的に評価することに成功し、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどのウイルスが生存しにくい皮膚表面を創出する方法を構築しました。本研究で構築されたウイルスが生存しにくい皮膚表面の創出は、現行の手指衛生を強力にサポートする革新的な接触感染予防法となることが期待され、今後の感染制御の発展に大いに貢献します。

本研究成果は、米国科学雑誌「Environmental Science & Technology」(2021年11月28日:米国東部時間)に掲載されます。

本研究は以下の研究費の支援を受けて行われました。

・科学技術振興機構(JST) 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)

① 産学共同〈育成型〉:with/postコロナにおける社会変革への寄与が期待される研究開発課題への支援 [グラント番号:JPMJTR21UE]

② トライアウトタイプ:with/postコロナにおける社会変革への寄与が期待される研究開発課題への支援 [グラント番号:JPMJTM20PR]

・日本医療研究開発機構(AMED)

新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業

・JSPS 科研費 若手研究

・武田科学振興財団 医学研究助成感染領域

・三菱財団 自然科学研究助成

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Evaluation of the residual disinfection effects of commonly used skin disinfectants against viruses: An innovative contact transmission control method”
DOI:10.1021/acs.est.1c05296
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
廣瀬 亮平(ヒロセ リョウヘイ)
京都府立医科大学 大学院医学研究科 消化器内科学 助教

<JST事業に関すること>
星 潤一(ホシ ジュンイチ)
科学技術振興機構 産学連携展開部 研究支援グループ

<報道担当>
京都府立医科大学 企画広報課 土屋
科学技術振興機構 広報課

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