生物工学一般

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外乱に対する予測的姿勢制御の神経メカニズムを解明~ラットは1秒未来の自己の姿勢を予測~

運動時に身体に加わる外乱(乱れの原因となる外部からの力)を予測して姿勢を制御・安定化する神経のメカニズムを明らかにするため、ラットを用いた新規の姿勢実験課題を構築するとともに数理シミュレーションを行いました。床が傾斜する外乱に十分に適応学習したラットは、約1秒未来までの間に自分自身がどう動くかを計算しながら、それが目標とする動きに一致するよう発揮筋力を計算していることが示唆されました。
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予期せぬ場所から聞こえる飼い主の声にびっくり~ネコは耳で飼い主の位置を捉えている~

ヒトと住居を共にするネコを用いて、飼い主の声からその位置を心的に捉えるのかを調べました。視覚的には見えない飼い主の位置を心の中で捉えており、その位置が瞬間的に変わると「驚く」ということがわかりました。
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休眠をもたらす遺伝子の探索~休眠中の筋肉に起こる遺伝子発現変化を網羅的に解析~

過酷な環境に置かれた哺乳類が自ら代謝を下げて生存を図る「休眠」に関わる遺伝子を探索し、転写因子Atf3がマウスの「日内休眠」に重要な役割を果たすことを発見しました。休眠研究のモデル動物としてマウスが有用であることが示されました。今後さらに休眠メカニズムの解析を進めることで、日内休眠や長期の休眠現象である冬眠を人工的に誘導する技術への応用が期待できます。
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変動する環境における、細菌の細胞サイズ分布にまつわる普遍性の発見

細菌集団の環境を高度に制御する新しいデバイスを構築し、栄養飢餓に対する大腸菌集団の応答の様子を観察した。細菌の細胞サイズは飢餓によって劇的に変動するにもかかわらず、急激な飢餓過程では細胞サイズの分布形状が本質的に変化しないことを発見した。
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予防的に発がんを抑制する上皮細胞による前がん細胞の認識機構を解明

非免疫細胞である上皮細胞が、がんの元となる前がん細胞を認識し、攻撃・排除するという免疫細胞様の監視システムがあることを明らかにした。前がん細胞で発現が促進したMHC-Iを認識する、上皮細胞の受容体AltRを新規に同定し、その排除能惹起メカニズムを解明した。
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くるくる泳ぐ微生物 螺旋軌跡の3Dイメージング ~マイクロロボットの設計に向けて~

独自に開発をしてきた三次元位置検出光学顕微技術を用いて、繊毛虫テトラヒメナが右手系の回転をしながら右螺旋を描くように遊泳していることを定量し、またCa2+刺激により螺旋遊泳パターンが揺らぐことを明らかにしました。
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泳ぐ微生物が海まで流されない理由 ~SDGsに欠かせない小さな生物たちの振る舞いを解明~

単細胞の繊毛虫テトラヒメナが水中の構造物付近で走流性を示す機構を明らかにしました。流れ場でのテトラヒメナの動きを顕微鏡観察することに加え、実験結果に基づく流体シミュレーションを行いました。構造物付近で流れに逆らう行動は「推進力を生み出す繊毛の機械的な刺激応答特性」と「細胞形状」という単純な2つの要素だけで説明できることが明らかになりました。
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青色センサー遺伝子の制御メカニズム 〜脊椎動物の色覚の起源に迫る〜

4色型色覚をもつゼブラフィッシュを用いた研究で、脊椎動物種に広く保存されている分子Foxq2が、青色センサー遺伝子の転写スイッチ制御に必須の鍵分子であることを見出した。比較ゲノム解析より、foxq2遺伝子は哺乳類の進化初期に失われたことが判明した。
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微小結晶からの高精度データ収集に最適な測定条件を提案

結晶に照射するX線の線量(吸収線量)をどの程度まで制限すれば高精度な解析ができるか、実験的な検証を試みた。大型放射光施設「SPring-8」で開発した「全自動データ収集システムZOO」を用いて、SWSX法という測定法により、タンパク質微小結晶をさまざまな条件で測定した。通常、吸収線量を5メガグレイ程度に制限すれば、効率良くかつ高精度なデータ収集が可能であることを示した。
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制御サブユニットによるイオンチャネル巨大複合体のモジュレーション機構を解明

神経細胞や心臓の電気活動に必須の役割を果たす電位依存性カリウムチャネル Kv4.2と2種類の制御サブユニット KChIP1、DPP6Sからなる巨大複合体の立体構造を明らかにした。KChIP1とDPP6SがKv4.2の電気生理学的特性を適切に調整する機構を初めて明らかにした。
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盲視マカクサルは視覚意識が無くても自発的行動を学習できる

マカクサルが第一次視覚野(V1)の損傷後にも、道具的条件付けによって自発的行動の学習が成立するかを調べた。視覚的手がかり刺激(CS)は、V1損傷後においても、CS提示直前の行動を強化する強化因子として機能し、V1を介さない無意識の視覚経路のみでも自発的行動を学習出来ることが明らかになった。
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外来・交雑オオサンショウウオの寄生虫相を初めて調査して、在来種の寄生虫相との関係を解明

京都府の淀川水系から得られた交雑オオサンショウウオ、およびチュウゴクオオサンショウウオの寄生虫相が初めて調査され、1種の吸虫と3種の線虫の寄生が確認された。
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