細胞遺伝子工学

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アルツハイマー病病因分子の産生量に影響を与える土壌微生物叢由来代謝物の同定

iPS細胞を使ったスクリーニング系を用いることで、神経細胞のアミロイドβ産生動態を変化させる土壌微生物叢由来の代謝物を同定し、土壌微生物とアルツハイマー病の関係を明らかにしました。
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ミトコンドリアゲノム編集によりトマトの雄性不稔遺伝子を確定

ミトコンドリアゲノム上に存在するorf137という遺伝子が、トマトにおいて正常な花粉をつくることを妨げる働きを持つ可能性を明らかにしています。そこで、この遺伝子をミトコンドリアゲノム編集技術の標的として処理したところ、この遺伝子のみを破壊することに成功しました。
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心筋組織の収縮・弛緩機能における心筋細胞の配向の意義~再生医療・疾患・創薬研究用心筋組織構築や心疾患の病態解明へ期待~

配向を制御したヒト心筋組織の作成に成功し、そのような心筋組織では心筋細胞が一方向性に収縮・弛緩するとともに、同期的収縮を促進することで、組織全体の収縮・弛緩機能が向上することを見出しました。再生医療や疾患・創薬研究用心筋組織開発のみならず、心筋細胞の配列の乱れを有する心疾患の病態解明など幅広い展開が期待されます。
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ヒト脳オルガノイドがもちうる意識の問題を検討し、研究上の倫理的枠組みを提案

ヒト脳オルガノイドとは、多能性幹細胞(ES細胞やiPS細胞)から分化誘導された、生体と類似の構造を持つ三次元脳組織のことである。本研究では、「ヒト脳オルガノイドが意識をもつにもかかわらず、意識はないとみなし、モノとして扱うことによって生じうる被害をできるだけ避けるべき」という予防原則を採用する。説得力のある意識理論のうちの一つでもヒト脳オルガノイドに意識を認めるなら、脳オルガノイドは意識をもつと仮定して研究を進めるべきである。ヒト脳オルガノイドがどのような種類の意識経験をもちうるか、その発達度合いなどから推測する方法論を提示する。
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制御性T細胞の新しいマーカーを発見~T細胞受容体の配列パターンがT細胞の運命に影響する~

ヒトのヘルパーT細胞のT細胞受容体配列のビックデータを解析し、制御性T細胞のT細胞受容体の配列を詳しく調べました。独自の解析アルゴリズムを考案し、制御性T細胞を特徴付けるT細胞受容体の配列パターンを発見しました。さらに、その配列パターンを基にした「TiRPスコア」を作成し、T細胞受容体の配列情報だけを用いて制御性T細胞に分化する確率を推定することに成功しました。
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iPSコホートと機械学習を用いたアルツハイマー病再構成~CDiPテクノロジーによる無病社会に向けた孤発性高齢疾患の解読~

孤発性アルツハイマー病(AD)の患者102人から樹立したiPSコホートを用いて、複雑な孤発性ADの病態を細胞種および病態ごとの表現型(病的形質)に分解し、その背景の遺伝子データからADの臨床リアルワールドデータを再構成する「CDiPテクノロジー」を開発しました。iPSコホートを用いることで、iPS細胞から分化誘導される細胞の種類とAD病態の表現型(病的形質)の組み合わせに特異的な背景の遺伝子のデータを探索することができるシステムとしてcell GWASという概念を構築し実施しました。
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外部から遺伝物質を持ち込まずにゲノムを改良する新技術「TAQing2.0」を開発

外部から遺伝物質を持ち込まずに生物のゲノムDNAを大規模に再編成し、生物機能の改良を加速する新技術「TAQing2.0」の開発に成功しました。細胞膜貫通ペプチドを用いてDNA切断活性をもつタンパク質を細胞内に導入し、大規模かつランダムにゲノム全体を再編成させることができます。生物の交配(有性生殖)が不能で通常の交配による育種が不可能な産業用微生物において、形質の効率的な改良が可能になりました。
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植物ゲノムに不活性領域を作り出す機構

シロイヌナズナという植物の変異体を用いた研究の結果、DNAメチル化の間の局所的な正のフィードバックと、ゲノム全体での負のフィードバックを見出した。この両方の経路により、働くべき遺伝子を働かせながら、不活化領域に限定した抑制が可能となり、ゲノムの不安定化を防いでいると考えられる。
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マウスの着床期の胚発生を三次元で再現することに成功~胚発生中の細胞の振る舞いをかつてない精度で解明~

着床期のマウス胚発生を研究するための新しい三次元培養系を開発し、着床期の胚に内在する組織間の相互作用を見出しました。既存の二次元上での胚培養における問題点を克服し、着床期のマウスの胚発生を三次元下で再現することに成功しました。この培養系を倒立型光シート顕微鏡によるライブイメージングと組み合わせ、胚発生中の細胞ダイナミクスを明らかにしました。
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CDH18は胎児期の心外膜細胞の指標であり胎児心外膜から平滑筋細胞の分化を制御している

心筋の修復や再生を担う細胞の供給源である心外膜細胞を、iPS細胞から作製し、その細胞表面タンパク質であるCDH18が心外膜細胞の特徴的なマーカータンパク質であることを突き止めました。また、CDH18が心外膜細胞から平滑筋細胞への分化を制御するなど、その重要性を明らかにしました。
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移植したヒトiPS由来細胞を刺激することにより、脊髄損傷の治療効果改善に成功

脊髄損傷マウスにヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞を移植し、DREADDsと呼ばれる人工受容体技術を用いて、移植した細胞を刺激して移植細胞の活動性を繰り返し亢進させることで、脊髄損傷マウスの運動機能を回復させることに成功しました。
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原始内胚葉幹細胞の樹立に成功~試験管内胚再構成の実現への第一歩~

マウス胚盤胞を特殊な培地で培養することで、PrES細胞を樹立できることを発見しました。PrES細胞を胚盤胞に注入したところ、原始内胚葉に速やかに取り込まれ、卵黄嚢の派生に寄与することが分かりました。原始内胚葉を欠失させた胚盤胞にPrES細胞を注入し、偽妊娠マウスの子宮に移植したところ、全ての原始内胚葉系列の組織が派生し、正常な仔マウスが生まれました。PrES細胞、ES細胞、TS細胞を試験管内で組み合わせて作製したETP複合体を偽妊娠マウスの子宮へ移植した結果、一部が着床し、卵黄嚢様の組織に囲まれた幹細胞由来組織が派生しました。
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