2024-08-02 東北大学
膵臓がんは非常に難治で生存率の低いがんであり、生存率改善のために、現状よりも鋭敏な生存関連因子の探索が世界中で行われています。
東北大学大学院医学系研究科消化器外科学分野 野口 彩、海野 倫明教授、病態病理学分野 古川 徹教授、理化学研究所革新知能統合研究センター病理情報学チーム 山本 陽一朗チームリーダー(兼 東北大学大学院医学系研究科数理知能医学講座)らの共同研究グループは、膵臓がん患者の腹腔内の免疫細胞(好中球(注1)およびマクロファージ(注2))の比率が生存率に影響することを、人工知能(AI)を用いて明らかにしました。
今後、これらの新しい生存関連因子に基づき、膵臓がん患者の個別化医療の実現と新しい治療戦略の開発が期待されます。また、現在注目されているAI for science(AI を活用した科学研究の革新)の成果の一つとして、他のがん治療やさまざまな疾患への応用にも波及効果をもたらすことが考えられます。
本研究成果は、2024年8月2日、英国時間午前10時(日本時間午後6時)に学術誌Scientific Reports(電子版)に掲載されました。
【用語説明】
注1.好中球:白血球の一種。細菌や真菌などの病原体と戦い、感染症から体を守る主要な役割を担っている。
注2.マクロファージ:白血球の一種。体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体や不要な細胞を取り込んで分解したり、免疫反応を惹起したりする能力を有する。
【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科病態病理学分野
教授 古川 徹(ふるかわ とおる)
(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
東北大学病院広報室