高精細リン酸化シグナル解析により胃がんの治療標的を同定~治療の経過に伴う胃がんの悪性化の実態も明らかに~

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2024-10-02 医薬基盤・健康・栄養研究所

高精細リン酸化シグナル解析により胃がんの治療標的を同定~治療の経過に伴う胃がんの悪性化の実態も明らかに~

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府茨木市、理事長:中村祐輔、以下「NIBIOHN」という。) 創薬デザイン研究センター創薬標的プロテオミクスプロジェクトの足立淳副センター長のグループは、国立がん研究センター中央病院朴成和消化管内科長(研究当時)、庄司広和医長のグループ、日本医科大学大学院医学研究科本田一文教授、NIBIOHN AI健康・医薬研究センター水口賢司客員研究員のグループ、京都大学大学院医学研究科小濱和貴教授のグループと共同で、胃がんの新たな治療法開発に資する発見をしました。

【研究成果のポイント】
  • 採取した直後に凍結した微量の内視鏡生検検体から、2万個を超えるリン酸化部位を測定し、患者毎のリン酸化シグナルの特性を明らかにする技術を開発しました。
  • 内視鏡生検検体(127個)のリン酸化シグナルデータに基づいて、未治療の胃がん患者さんは、①細胞周期を制御するキナーゼ群が活性化しているタイプ、②上皮間葉転換(EMT)タイプ、③酸化的リン酸化亢進タイプに分類されました。
  • 1次治療での化学療法後(2次治療前)から2次治療中、増悪時と、治療が経過するほどEMTタイプの割合が増えることを見出しました。
  • EMTタイプに対する治療法として、EMTタイプで活性化している受容体型チロシンキナーゼAXLの阻害剤と標準治療で使用されているパクリタキセルの併用治療が抗腫瘍効果を有することを胃がん細胞株及びマウス実験で確かめました。

本発見を踏まえて、今後、難治性の胃がんに対する新たな治療法の開発が期待されます。
本研究成果は2024年10月1日(アメリカ時間)に『Cell Reports』に発表されました。
ウェブサイト:https://doi.org/10.1016/j.celrep.2024.114774

詳細は、こちらをご覧ください。

医療・健康
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