効率的な生体的学習で人間の脳を模倣するエレクトロニクス

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 (Researchers Unveil Electronics that Mimic the Human Brain in Efficient, Biological Learning)

2020/4/20 マサチューセッツ大学アマースト校
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・ マサチューセッツ大学アマースト校が、ジオバクター属微生物が生成するタンパク質ナノワイヤの理解を深める研究の過程で、これらの導電性フィラメントを使用したニューロモーフィック・メムリスタデバイスの作製に成功。
・ ニューロモーフィック・コンピューティングでは、実際の脳のシナプスのように機能・作動するメモリスタと呼ばれる微細なツールを使用したデバイスが必要。活動電位と呼ばれるニューロン間の信号は約80mV を下回るが、従来のコンピューターの多くでは作動電圧が 1V 超であることが最大の課題。
・ 今回、微生物のタンパク質ナノワイヤによるメムリスタが、脳に匹敵する電圧レベルで作動することを確認。超低電力コンピューティングの可能性を裏付ける概念のブレイクスルーであり、生体レベルの電圧で作動するエレクトロニクスの研究の展開が期待される。
・ ジオバクター微生物の導電性タンパク質ナノワイヤは、製造に毒性の化学物質や高エネルギープロセスを要する高価なシリコンナノワイヤを超える多くの利点を提供する。また、バイオ医療アプリケーションで重要となる、体液中での安定性も有する。
・ 異なる電圧レベルでの同タンパク質ナノワイヤの性能を調査するため、メモリスタで微細な金属の糸を通じた正負電荷パルスのオン-オフ切り替えによる電気スイッチの試験を実施。タンパク質ナノワイヤは、金属イオンの反応性と電子移動特性を変える金属還元を促進することから、金属の糸を利用した。
・ 人間が呼吸を通じて酸素を得るのと同様に、天然の微生物のナノワイヤは呼吸により金属を化学的に還元してエネルギーを得ているため、タンパク質ナノワイヤのこのような働きは当然のこと。
・ 電荷パルスのオン-オフが金属フィラメントで変化を起こし、人間の毛髪の 1/100 の微細なデバイスで新たな分岐と結合が発生。実際の脳での学習と同様の効果を生み出す。ナノワイヤの導電性(可塑性)を調整することで、脳型コンピューティング用の生体的なコンポーネントの模倣が可能。同メムリスタ従来のコンピューターとは異なり、ソフトウェアベースでない学習能力を有する。
・ このメカニズムの研究を継続し、メムリスタにおける同タンパク質ナノワイヤの化学、生態及び電子的な働きを解明する。また、生体システムで実際のニューロンとの情報伝達を実現する可能性を提供する、心拍のモニタリングデバイス等のアプリケーションについて探求する。
URL: https://www.umass.edu/newsoffice/article/researchers-unveil-electronics-mimic-human

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Nature Communications 掲載論文(フルテキスト)
Bioinspired bio-voltage memristors
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-020-15759

Abstract

Memristive devices are promising candidates to emulate biological computing. However, the typical switching voltages (0.2-2 V) in previously described devices are much higher than the amplitude in biological counterparts. Here we demonstrate a type of diffusive memristor, fabricated from the protein nanowires harvested from the bacterium Geobacter sulfurreducens, that functions at the biological voltages of 40-100 mV. Memristive function at biological voltages is possible because the protein nanowires catalyze metallization. Artificial neurons built from these memristors not only function at biological action potentials (e.g., 100 mV, 1 ms) but also exhibit temporal integration close to that in biological neurons. The potential of using the memristor to directly process biosensing signals is also demonstrated.

有機化学・薬学
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