酵素のより原始的な祖先の姿が明らかに~リクルート仮説を覆す酵素の分子進化の証拠を発見~

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2021-06-15 愛媛大学

概要

愛媛大学大学院農学研究科(沿岸環境科学研究センター教授 兼任)渡辺 誠也教授、同左修士課程2年生(当時;現 天野エンザイム株式会社所属)村瀬 陽介、同左助教(当時;現 山形大学学術研究院講師(理学部主担当))渡邊 康紀、京都工芸繊維大学 櫻井 康博研究員、同左 田嶋 邦彦教授の研究グループは、アコニターゼファミリーのタンパク質の中で唯一機能が不明だったアコニターゼXにおいて、最近その基質が明らかとなったシス-3-ヒドロキシ-L-プロリン脱水酵素とメバロン酸5-リン酸脱水酵素の立体構造を、X線結晶回折法により世界で初めて明らかにしました。
アコニターゼXを除くアコニターゼファミリーに属する全てのメンバーは、祖先型遺伝子が重複しその後基質特異性が向上するという“酵素進化のリクルート仮説”で説明できる典型例とされてきました。今回決定されたアコニターゼXの全体構造はこれら既知のメンバーと一部似ていましたが、活性中心に含まれる鉄硫黄クラスターや基質の結合様式は大きく異なっていました。こうした事実は、いままで考えられていたものよりさらに原始的な共通祖先の存在を連想させ、アコニターゼファミリーを含むタンパク質の分子進化に新たな知見を与えると期待されます。
本研究成果は、2021年6月7日(月)午後6時(日本時間)に英国Springer Nature Groupが刊行する国際学術誌Communications Biology(Nature Communicationsの姉妹誌)にオンライン掲載されました。
なお、本研究の一部は愛媛大学の農学研究科研究グループARG(生命機能科学応用開発グループ;グループ長 渡辺 誠也)の支援を受けて行われました。

詳しい資料は≫

お問い合わせ
愛媛大学大学院農学研究科(沿岸環境科学研究センター教授 兼任) 教授 渡辺 誠也

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