2023-03-06 東京大学医学部附属病院
東京大学の小室一成教授、康永秀生教授、金子英弘特任講師、上野兼輔研究員、北里大学の神谷健太郎教授らの研究グループは、4万人を超える日本の大規模なデータベースを解析することで、90歳以上の超高齢心不全患者において、早期リハビリテーション介入が院内死亡率の低下、ADLの改善、入院日数の短縮、再入院率の低下と関連することを明らかにしました。
近年の高齢化に伴い、90歳以上の超高齢心不全患者の割合が増加しています。臨床現場では90歳以上の心不全患者が治療対象となることも稀ではありません。リハビリテーション介入は、慢性心不全患者の予後改善に有用であることが報告されていますが、急性心不全症例、とりわけ超高齢心不全患者における早期リハビリテーション介入の有用性は不明でした。
本研究成果を通して、急性期からのリハビリテーションが超高齢心不全患者の治療の1つの選択肢になり得ることが明らかになりました。なお本研究は、令和4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金・政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業)「診療現場の実態に即した医療ビッグデータ(NDB等)を利活用できる人材育成促進に資するための研究」(課題番号:21AA2007、研究代表者:康永秀生)の支援により行われ、2023年3月1日に米国老年医学会(AGS)の学会誌 Journal of the American Geriatrics Societyに掲載されました。