B型肝炎ウイルスが感染受容体に結合するしくみを解明

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2024-01-17 東京大学

B型肝炎ウイルスが感染受容体に結合するしくみを解明

東京大学大学院薬学系研究科の浅見仁太 大学院生(研究当時)、清水敏之 教授、大戸梅治 准教授、横浜市立大学大学院生命医科学研究科の朴三用 教授、京都大学大学院医学研究科の野村紀通 准教授、国立感染症研究所治療薬・ワクチン開発研究センターの渡士幸一 治療薬開発総括研究官らの共同研究チームは、B型肝炎ウイルス感染初期にウイルスタンパク質が、肝細胞表面に存在する感染受容体である膜タンパク質NTCPに結合する様子をクライオ電子顕微鏡分析により可視化しました。
B型肝炎ウイルスは肝細胞膜に存在する胆汁酸輸送体NTCPを受容体として利用し、肝細胞に感染することが知られています。本研究では、B型肝炎ウイルスのエンベロープタンパク質LHBsとNTCPの複合体のクライオ電子顕微鏡構造を解明しました。その結果、LHBsのN末端preS1ドメインがNTCPの胆汁酸輸送経路を形成する膜貫通トンネルを塞ぐように複雑に折りたたまれて結合することを明らかにし、この結合がウイルス感染に重要であることを見出しました。本研究結果は、NTCPを介したB型肝炎ウイルスの感染機構解明およびB型肝炎に対する新規治療薬の合理的設計に役立つと期待されます。

論文情報

Jinta Asami, Jae-Hyun Park, Yayoi Nomura, Chisa Kobayashi, Junki Mifune, Naito Ishimoto, Tomoko Uemura, Kehong Liu, Yumi Sato, Zhang Zhikuan, Masamichi Muramatsu, Takaji Wakita, David Drew, So Iwata, Toshiyuki Shimizu, Koichi Watashi, Sam-Yong Park, Norimichi Nomura, Umeharu Ohto, “Structural basis of hepatitis B virus receptor binding,” Nature Structural & Molecular Biology: 2024年1月17日, doi:10.1038/s41594-023-01191-5.
論文へのリンク (掲載誌)

医療・健康
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