2024-12-10 東京大学
東京大学大学院薬学系研究科の森貴裕准教授、阿部郁朗教授と、大学院農学生命科学研究科の寺田透教授、森脇由隆助教(現、東京科学大学 准教授)、チェコ科学アカデミー微生物研究所のJiri Janata教授、Zdenek Kamenik教授らによる研究グループは、抗生物質として利用されるリンコサミド化合物の生合成中、構造多様性構築の鍵酵素であるピリドキサール5′-リン酸(PLP)依存性酵素の立体構造解析、および計算化学から、触媒反応選択性の構造基盤を解明しました。さらに、構造を基にして合理的に酵素活性部位に変異を導入することで、酵素触媒反応選択性を人為的に制御することにも成功しました。今後、多様なPLP依存性酵素の構造機能解析を行い、触媒反応選択性の構造基盤を明らかとしていくことで、PLP依存性酵素の触媒機能の人工制御や、生体触媒にも利用可能な有用酵素の創出など、薬科学の発展への貢献が期待されます。
本研究成果は2024年12月6日付でNature Chemistry (オンライン版)に掲載されました。
論文情報
Takahiro Mori*, Yoshitaka Moriwaki*, Kosuke Sakurada, Shuang Lyu, Stanislav Kadlcik, Jiri Janata, Aninda Mazumdar, Markéta Koberska, Tohru Terada*, Zdenek Kamenik*, and Ikuro Abe*, “Molecular basis for the diversification of lincosamide biosynthesis by pyridoxal phosphate-dependent enzymes,” Nature Chemistry: 2024年12月6日, doi:10.1038/s41557-024-01687-7.
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