多発性骨髄種に対する治療薬として有望な抗BCMAイムノトキシンの開発

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2019-02-25  医薬基盤・健康・栄養研究所

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬デザイン研究センターの、永田諭志 抗体スクリーニングプロジェクトサブリーダーは、米国国立衛生研究所(NIH)、米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)のIra Pastan博士のグループと共同で、多発性骨髄腫(ミエローマ)の有望な治療薬候補として、がん細胞上のBCMA抗原に対する抗体医薬(イムノトキシン)を開発しました。

Pastan博士のグループでは、緑膿菌外毒素の変異体を付加した抗体医薬の1種であるイムノトキシンを継続的に開発しており、同グループの開発した抗CD22イムノトキシンは、世界に先駆けて、2018年9月に再発または難治性の有毛細胞白血病の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)より認可を受けています(moxetumomab pasudotox-tdfk、商品名LUMOXITI)。

今回の研究では、当研究所の永田諭志サブリーダーが作製した抗BCMA膜タンパク質抗体を、同様な方法でイムノトキシン化したところ、多発性骨髄腫(ミエローマ)の2種類のモデルで完全寛解の薬効を示しました。また同イムノトキシンは、患者由来のがん細胞に対しても、殺傷効果を示しており、多発性骨髄腫の治療薬としての開発が期待されます。

本研究は、2月21日に「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」(米国科学アカデミー紀要)のon line 版に公開されました。

Anti-BCMA immunotoxins produce durable complete remissions in two mouse myeloma models

Zoë Shancer, Xiu-fen Liu, Satoshi Nagata, Qi Zhou, Tapan K. Bera, and Ira Pastan

PNAS published ahead of print February 19, 2019
https://doi.org/10.1073/pnas.1821733116

医療・健康有機化学・薬学
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