自己治癒する透明なエレクトロニックスキン (Transparent and self-healing electronic skin)

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2019/3/18 シンガポール国立大学 (NUS)

・ NUS、清華大学(中国)、カリフォルニア大学リバーサイド校(米国)から成る研究チームが、ストレッチャブル、タッチ感応性で水のある環境で自己治癒する、透明な電子スキンを開発。
・ 数多くある自己治癒材料の課題は不透明であることと、水にぬれると効率的に作動できないこと。これらにより、タッチスクリーン等のアプリケーションでの利用が困難になっている。
・ 水中に生息する透明なクラゲに着想を得た同電子スキンは、フルオロカーボンベースのポリマーと、フッ素を多量に含むイオン液体から成るゲル材料によるもの。極めて可逆的なイオン双極子間の相互作用のメカニズムを介して自己治癒する。
・ ハイドロゲルを始めとする導電ポリマーゲルの多くは、水中では膨張し、空気中では乾燥して行くが、新材料では湿・乾の両環境下で形状を維持できる。特に海水、さらには酸性・アルカリ性の環境下でも作動する。
・ 同電子スキンは、新材料のゲルを使って電子回路をプリントして作製。柔らかくストレッチャブルな材料で、触れる、押す、曲げると電気特性が変化する。これを測定して読み取り可能な電気信号に変換することで、多様なセンサーアプリケーションが可能となる。・ また、同ゲル材料の 3D プリント適性は、ロボットアプリケーションで利用できる完全に透明な回路基板作製の可能性を示す。新興するあらゆるソフトロボットのための、様々なアプリケーション開発の可能性を期待する。
・ さらに、このようなインテリジェントな材料から作られた電子デバイスが自己治癒することで、世界中の電気電子機器廃棄物(e-waste)量の削減にも貢献できると考える。
・ 同材料の可能性についてさらに研究を進め、新しいヒューマン・マシーン間の通信インターフェースで使用できる、同材料の全特性を活用したオプトエレクトロニクスデバイスを開発する。
URL: http://news.nus.edu.sg/research/transparent-self-healing-electronic-skin

(関連情報)
Nature Electronics 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Self-healing electronic skins for aquatic environments
URL: https://www.nature.com/articles/s41928-019-0206-5

<NEDO海外技術情報より>

有機化学・薬学
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