生物環境工学

太るのも楽じゃない 毎日20時間以上を深海での餌採りに費やすキタゾウアザラシ 生物環境工学

太るのも楽じゃない 毎日20時間以上を深海での餌採りに費やすキタゾウアザラシ

小さな深海魚を餌とするキタゾウアザラシの雌が、繁殖に必要な脂肪を体内に蓄えて「太る」ためには、1日のほとんどを餌採りに費やさなければならないことを明らかにした。
農作物を食べた野生ニホンジカは早く成熟する~ 農作物の採食が更なる農業被害を招く~ 生物環境工学

農作物を食べた野生ニホンジカは早く成熟する~ 農作物の採食が更なる農業被害を招く~

野生ニホンジカの成熟が農作物を食べることで早まることを、シカの骨コラーゲンの窒素安定同位体の比率(δデルタ15N値2))の解析から明らかにした。シカの農地侵入防止対策や農作物を食害する個体の駆除が、現在のみならず将来の農業被害の抑制にも有用であることを示す。
相模湾から新種のクモヒトデ発見:隠れた生物多様性 生物環境工学

相模湾から新種のクモヒトデ発見:隠れた生物多様性

神奈川県三浦半島沖の水深90~140 mより、新種のクモヒトデを発見した。本種の形態学的な研究を行った結果、これまで90年前に1例の記録しかないコンジキクモヒトデ属のクモヒトデであり、幼体を産む生態を持つことが明らかとなった。
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スギの”香り”が語ること 〜生物起源揮発性有機化合物放出の地理変異を解明〜 生物環境工学

スギの”香り”が語ること 〜生物起源揮発性有機化合物放出の地理変異を解明〜

遺伝的に異なる全国12集団の天然スギから放出される生物起源揮発性有機化合物(BVOC)の放出パタンを同一環境下で定量し、テルペン類の組成と量が集団によって大きく異なることを明らかにした。BVOC放出は集団が分布する地域の気候だけでなく、病原菌組成とも密接な関係にあることを見出した。
サバクトビバッタが砂漠で生き延びるための行動を解明~構築したモデルにより行動予測が可能に~ 生物環境工学

サバクトビバッタが砂漠で生き延びるための行動を解明~構築したモデルにより行動予測が可能に~

過酷な砂漠環境(厳しい寒暖)においてこれまで不明だった群生相のサバクトビバッタが生き延びるためにとる行動を明らかにし、成果を利用して構築した専用のモデルによりバッタの体温を推定し、行動を予測可能にした。
仙台湾のヒラメは割と個人主義だった 生物環境工学

仙台湾のヒラメは割と個人主義だった

仙台湾に生息するヒラメの脊椎骨椎体について、コラーゲンに含まれる炭素・窒素の安定同位体比を分析し、仙台湾のヒラメには、成長に伴って波打ち際から沖合へ移動するタイミングや、湾内での生息場所の好みが異なるという、生活履歴が異なる2つの集団が存在することを個体単位で確認した。
弱い光に耐える植物の葉緑体はときおり当たる強光にも耐えられる 生物環境工学

弱い光に耐える植物の葉緑体はときおり当たる強光にも耐えられる

数種類の植物に変動光を与えて、損傷を比較したところ、弱光環境下でも生育する耐陰性の強いクワズイモの光化学系 I は損傷を受けにくく、しかも、栽培時の光強度が弱いほど光化学系I の「変動光」耐性が強いことを発見した。
マングローブ植物の全球分布と分化過程を解明~ヤエヤマヒルギ属の種・地域を網羅した系統解析~ 生物環境工学

マングローブ植物の全球分布と分化過程を解明~ヤエヤマヒルギ属の種・地域を網羅した系統解析~

マングローブ植物の代表であるヤエヤマヒルギ属植物を世界各地で採集し、分布域網羅的な系統解析を行い、ヤエヤマヒルギ属のインド洋-西太平洋グループと大西洋-東太平洋グループは約1100万年前に分岐し、それぞれのグループでの多様化と分布拡大を経て、現在の分布域を持つに至ったことがわかった。
野生ボノボが他集団の子どもを「養子」とした2事例を報告 生物環境工学

野生ボノボが他集団の子どもを「養子」とした2事例を報告

野生ボノボ集団において、メスが他の集団の子どもを「養子」として受け入れ、世話をした2事例を観察し、その詳細を報告した。
陸域からの過度のリン供給がサンゴの生育を妨げるメカニズムが明らかに 生物環境工学

陸域からの過度のリン供給がサンゴの生育を妨げるメカニズムが明らかに

過度の栄養塩が海に流れ込むと、サンゴが減少することは知られていたが、リン酸塩は炭酸カルシウムに高い吸着性を有するため、石灰質の砂に蓄積し一部溶出したリン酸塩が、サンゴの炭酸カルシウム骨格の形成を妨げるというメカニズムが明らかになった。
細い道ではスピード注意 ~カビが狭い空間を通過する能力は成長速度と相関する~ 生物環境工学

細い道ではスピード注意 ~カビが狭い空間を通過する能力は成長速度と相関する~

糸状菌の中には、細い流路を通過して生長を続けるものと、そうではないものがあることが分かり、異なる系統の7種の糸状菌について、同様の解析を行った。細い流路を通過できるかどうかは、菌糸幅や系統分類上の近さではなく、菌糸の生長速度と相関があることを発見した。
ウサギ目の大型化が他の草食哺乳類分類群によって抑制されてきたことを解明 生物環境工学

ウサギ目の大型化が他の草食哺乳類分類群によって抑制されてきたことを解明

ウサギ目の化石種と現生種の体サイズを環境要因と対比しながら時間と空間を通して分析し、ウサギ目の大型化が他の草食哺乳類分類群によって抑制されてきたことを明らかにした。主な抑制者となる分類群が、気候変動に伴った草原の拡大などの、大規模な環境の変化と共に交代していたことも判明した。
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