基礎生物学研究所

オーキシンのメチル化が根粒共生の成立を導くことを発見 〜共生研究が切り拓くオーキシン代謝の新展開〜 生物化学工学

オーキシンのメチル化が根粒共生の成立を導くことを発見 〜共生研究が切り拓くオーキシン代謝の新展開〜

2022-03-08 基礎生物学研究所マメ科植物は、窒素固定細菌(根粒菌)を細胞内に取り込むことでコブ状の共生器官「根粒」を形成します。この現象は根粒共生と呼ばれ、マメ科植物はこの共生により大気中の窒素を栄養素として効率よく利用できます。今...
祖先の背中の肥大化が昆虫の翅を生んだ~150年来の昆虫翅進化の謎に迫る~ 生物化学工学

祖先の背中の肥大化が昆虫の翅を生んだ~150年来の昆虫翅進化の謎に迫る~

昆虫には翅進化の中間段階を示す決定的な化石が見つかっておらず、祖先的な発生様式を示すフタホシコオロギの翅づくりの過程を調べることで、この状況を打破することを目指しました。ゲノム編集や外科手術などの手法を駆使することによって、側板ではなく背板の細胞がコオロギの翅づくりに主導的な役割を果たすことを明らかにしました。さらに、背板を爆発的に肥大化させる細胞の成長シグナルを特定することに成功しました。
細胞間接着の新たな制御機構の発見~力学刺激に依存したZO-1タンパク質の液-液相分離によるリモデリング~ 生物化学工学

細胞間接着の新たな制御機構の発見~力学刺激に依存したZO-1タンパク質の液-液相分離によるリモデリング~

マウス胚と動物培養細胞(MDCK細胞とA6細胞)を用い、ZO-1が細胞質内で顆粒を形成し、密着結合部位との間で局在を変化させることにより、密着結合の形成と細胞間接着の強度を制御していることを発見しました。さらに、このZO-1の細胞質顆粒が液-液相分離により形成されること、その制御に細胞の力学的な環境が関わっていることを明らかにしました。
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植物のCDKAが太陽光の情報を伝達していることを発見 生物化学工学

植物のCDKAが太陽光の情報を伝達していることを発見

コケ植物を用いて細胞分裂に重要なタンパク質の新たな機能を発見することに成功しました。細胞分裂に関与する重要なタンパク質が,光合成や光屈性などの光応答にも重要であることを発見。このタンパク質は細胞骨格を制御することにより光応答も制御していることを解明。植物の光応答における受容体から細胞骨格までの未知の情報伝達経路の一部を解明。
シロアリが栽培するキノコの種類を特定 生物化学工学

シロアリが栽培するキノコの種類を特定

琉球列島には、シロアリが栽培するキノコが生息しています。形態的特徴から3種(オオシロアリタケ、トガリアリヅカタケ、シロアリシメジ)が記載されており、一昨年に新たな菌種(イケハラオオシロアリタケ)が見つかっていました。国内に生育するシロアリ共生性キノコについて、形態とDNA情報を用いた分子系統関係について調査を実施し、これらの菌類の正しい分類と名前を確定しました。
高度な社会性を持つシロアリのゲノム情報を解読 〜遺伝子重複が社会性進化の原動力であることを明らかに〜 生物環境工学

高度な社会性を持つシロアリのゲノム情報を解読 〜遺伝子重複が社会性進化の原動力であることを明らかに〜

「ヤマトシロアリ」のゲノム情報の解読および、カースト別の大規模遺伝子発現解析に成功しました。シロアリの社会性の進化には遺伝子の重複が重要な役割を果たしていることが明らかになりました。重複した遺伝子はカーストごとに発現パターンが異なる傾向があることがわかりました。重複遺伝子には、化学コミュニケーションや社会的免疫・防御などの社会性に関連する機能を持った遺伝子が多くみられました。
光合成色素を使って近赤外蛍光タンパク質を明るくすることに成功 有機化学・薬学

光合成色素を使って近赤外蛍光タンパク質を明るくすることに成功

近赤外蛍光タンパク質iRFPの発色団として、今まで知られていたビリベルジンだけではなく、光合成色素として知られるフィコシアノビリンが使用できることを新たに発見しました。ビリベルジンよりもフィコシアノビリンを用いた方が、iRFPの蛍光が明るくなることがわかりました。ビリベルジンやフィコシアノビリンを代謝により合成することができない分裂酵母細胞においても、それらの色素の合成酵素を発現させることでiRFPの蛍光強度を増強させることに成功しました。
新規赤色蛍光ドーパミンバイオセンサーの開発 〜ドーパミンとノルエピネフリンの同時可視化に成功〜 有機化学・薬学

新規赤色蛍光ドーパミンバイオセンサーの開発 〜ドーパミンとノルエピネフリンの同時可視化に成功〜

赤色蛍光タンパク質を用いたドーパミンバイオセンサー「R-GenGAR-DA」の開発に成功しました。この赤色蛍光ドーパミンセンサーのドーパミンに対する高い選択性を利用し、既報の緑色蛍光ノルエピネフリンバイオセンサーと共に用いることで、ひとつの細胞でドーパミンとノルエピネフリンを同時に可視化することに成功しました。
光で狙いを定めて細胞の生み出す力を弱める技術を開発 生物工学一般

光で狙いを定めて細胞の生み出す力を弱める技術を開発

光遺伝学の技術を応用することで、光照射により細胞の出す力を弱める新たなツール(OptoMYPT)を開発しました。さらに、OptoMYPTを用いてカエル胚の細胞間ではたらく力や、培養細胞における細胞質分裂中の力を操作できることを示しました。本研究のような光を用いた力の操作技術を駆使することで、将来的にはアクチン細胞骨格の関与する様々な発生学的・細胞生物学的現象の理解や、人工臓器の自在なデザインなど、基礎研究から臨床応用まで多面的に貢献することが期待されます。
「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発 生物環境工学

「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発

生物集団の移動軌跡から相互作用の規則、例えば「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を新たに開発しました。これまで概念的であった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法が開発されました。
光で活性化する組み換え酵素を、効率よく活性化する条件を発見 細胞遺伝子工学

光で活性化する組み換え酵素を、効率よく活性化する条件を発見

光によって活性化され、配列特異的に遺伝子を操作できる組み換え酵素「光活性化型Cre(Photoactivatable-Cre; PA-Cre)」のマウス個体での実用化を目指しました。ES細胞や数理モデルを用いて、効率よく組み換えを誘導できる光照射条件を探索し、短い間隔で光のON/OFFを繰り返す光照射を行うと、照射時間は半分になるにもかかわらず、連続照射(当てっぱなし)と同等の効率で組み換えを誘導できることがわかりました。
“地上最強生物”クマムシの乾燥耐性の仕組みの解明に挑む 生物環境工学

“地上最強生物”クマムシの乾燥耐性の仕組みの解明に挑む

クマムシの乾燥耐性メカニズムを探究する研究を行っています。クマムシの細胞内にみられるタンパク質のかたちとふるまいを詳しく調べるなかで、水分の消失に伴ってCAHS1というタンパク質分子が集まってくる様子を観察することに成功しました。乾燥条件に晒されたり、脱水ストレスが細胞にかかると、このタンパク質が集まってファイバーをつくることを世界で初めて明らかにしました。
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