基礎生物学研究所

光で狙いを定めて細胞の生み出す力を弱める技術を開発 生物工学一般

光で狙いを定めて細胞の生み出す力を弱める技術を開発

光遺伝学の技術を応用することで、光照射により細胞の出す力を弱める新たなツール(OptoMYPT)を開発しました。さらに、OptoMYPTを用いてカエル胚の細胞間ではたらく力や、培養細胞における細胞質分裂中の力を操作できることを示しました。本研究のような光を用いた力の操作技術を駆使することで、将来的にはアクチン細胞骨格の関与する様々な発生学的・細胞生物学的現象の理解や、人工臓器の自在なデザインなど、基礎研究から臨床応用まで多面的に貢献することが期待されます。
「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発 生物環境工学

「誰を見てどう動いたか」 理論とデータから推定できる機械学習技術を開発

生物集団の移動軌跡から相互作用の規則、例えば「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を新たに開発しました。これまで概念的であった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法が開発されました。
光で活性化する組み換え酵素を、効率よく活性化する条件を発見 細胞遺伝子工学

光で活性化する組み換え酵素を、効率よく活性化する条件を発見

光によって活性化され、配列特異的に遺伝子を操作できる組み換え酵素「光活性化型Cre(Photoactivatable-Cre; PA-Cre)」のマウス個体での実用化を目指しました。ES細胞や数理モデルを用いて、効率よく組み換えを誘導できる光照射条件を探索し、短い間隔で光のON/OFFを繰り返す光照射を行うと、照射時間は半分になるにもかかわらず、連続照射(当てっぱなし)と同等の効率で組み換えを誘導できることがわかりました。
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“地上最強生物”クマムシの乾燥耐性の仕組みの解明に挑む 生物環境工学

“地上最強生物”クマムシの乾燥耐性の仕組みの解明に挑む

クマムシの乾燥耐性メカニズムを探究する研究を行っています。クマムシの細胞内にみられるタンパク質のかたちとふるまいを詳しく調べるなかで、水分の消失に伴ってCAHS1というタンパク質分子が集まってくる様子を観察することに成功しました。乾燥条件に晒されたり、脱水ストレスが細胞にかかると、このタンパク質が集まってファイバーをつくることを世界で初めて明らかにしました。
泳ぐ微生物が海まで流されない理由 ~SDGsに欠かせない小さな生物たちの振る舞いを解明~ 生物工学一般

泳ぐ微生物が海まで流されない理由 ~SDGsに欠かせない小さな生物たちの振る舞いを解明~

単細胞の繊毛虫テトラヒメナが水中の構造物付近で走流性を示す機構を明らかにしました。流れ場でのテトラヒメナの動きを顕微鏡観察することに加え、実験結果に基づく流体シミュレーションを行いました。構造物付近で流れに逆らう行動は「推進力を生み出す繊毛の機械的な刺激応答特性」と「細胞形状」という単純な2つの要素だけで説明できることが明らかになりました。
精子幹細胞は、未分化状態と分化状態の間を転移しながら精子を作り続ける 生物化学工学

精子幹細胞は、未分化状態と分化状態の間を転移しながら精子を作り続ける

マウス精子幹細胞の目印となる遺伝子を発見し、新しい性質を明らかにしました。それらの遺伝子をもとに観察すると、①精子幹細胞は、未分化な状態から分化に向かった状態まで、複数の状態をとる階層集団であること、②未分化な状態ほど分裂活性が低いこと、③これまで支配的な考えであった未分化→分化の一方通行ではなく、両方向へ転移しながら長期の精子形成を維持していることが明らかになりました。
数理で読み解く細胞の飲み食い 〜細胞の口(くち)のつくりかた〜 生物化学工学

数理で読み解く細胞の飲み食い 〜細胞の口(くち)のつくりかた〜

細胞の「口」である、マクロピノサイトーシス(飲作用)におけるカップ状の細胞膜変形とその閉包の基本形を数理モデルにより記述し、シミュレーションにはじめて成功した。カップ形成とその閉包は、反応拡散ダイナミクスによるパターン形成から説明できることが明らかになった。
シロアリの性決定遺伝子は特殊な進化を遂げている ~高度な社会性の進化と関係?~ 細胞遺伝子工学

シロアリの性決定遺伝子は特殊な進化を遂げている ~高度な社会性の進化と関係?~

昆虫の性決定において中心的な役割を果たすdoublesexの遺伝子配列を、シロアリ6種で同定した。
光合成のステート遷移構造決まる 生物化学工学

光合成のステート遷移構造決まる

光合成反応の光の利用効率最適化のしくみの一つで、2つの光化学系(光化学系Iと光化学系II)をバランスよく駆動するしくみが「ステート遷移」。光化学系Iステート遷移超複合体(PSI-LHCI-LHCII超複合体)を緑藻の細胞から取り出して、立体構造をクライオ電子顕微鏡にて決定し、ステート遷移の詳細が解明された。
光合成するウミウシ、チドリミドリガイのゲノム情報を解読 細胞遺伝子工学

光合成するウミウシ、チドリミドリガイのゲノム情報を解読

代表的な盗葉緑体ウミウシであるチドリミドリガイ高精度なゲノム解読に成功した。コノハミドリガイのゲノム解読にも成功した。
精子幹細胞の運命を制御して移植効率を向上させることに成功 ~がん治療後の姙性回復に期待~ 細胞遺伝子工学

精子幹細胞の運命を制御して移植効率を向上させることに成功 ~がん治療後の姙性回復に期待~

マウスの精子幹細胞を用いて、移植された幹細胞が組織を再生するプロセスの詳細を明らかにすると共に、幹細胞の運命を制御して組織再生の効率を飛躍的に向上させることに成功した。
マメ科植物の栄養環境適応戦略 ~窒素栄養に応答して遺伝子発現を調節する仕組み~ 生物化学工学

マメ科植物の栄養環境適応戦略 ~窒素栄養に応答して遺伝子発現を調節する仕組み~

マメ科のモデル植物ミヤコグサを用いた研究で、特定のDNA配列と結合して遺伝子の発現を調節する2つのたんぱく質(NLP転写因子)NRSYM1とNRSYM2が、硝酸の濃度に応じて遺伝子の発現を制御する主要な因子であることを明らかにした。
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