森林総合研究所

キンカメムシのユニークな求愛ダンスを明らかに~多様な感覚によるコミュニケーションの進化の謎に迫る~ 生物工学一般

キンカメムシのユニークな求愛ダンスを明らかに~多様な感覚によるコミュニケーションの進化の謎に迫る~

亜熱帯林に生息するカメムシの1種ナナホシキンカメムシが行うユニークな求愛ダンスの詳細を明らかにしました。実験室内で詳細な観察を行ったところ、ナナホシキンカメムシは求愛行動のなかで、振動感覚、視覚、化学感覚、触覚といった多様な感覚に作用する4種類以上のシグナルを順序立てて利用している可能性が示されました。
分布の中心で、メスジカを捕らえる~個体群の分布域周辺部にはオスが、中央部にはメスが多い~ 生物環境工学

分布の中心で、メスジカを捕らえる~個体群の分布域周辺部にはオスが、中央部にはメスが多い~

ニホンジカの性比は分布の周辺部と中央部で異なることがわかりました。一定の生息密度に達するまでは、生息密度が高くなるほど角なしシカ(メスと1歳未満のオス)の比率が高くなりました。シカの個体群管理には、子を生むメスを駆除して次世代を減らすことが有効であり、メスが多い地域の特定は効率的な個体群管理に役立つことが期待されます。
土壌動物の多くは落葉分解者として機能していない?~トビムシの餌炭素年齢から従来の常識が覆る~ 生物環境工学

土壌動物の多くは落葉分解者として機能していない?~トビムシの餌炭素年齢から従来の常識が覆る~

森林などの陸域生態系で優占するトビムシをはじめとする土壌動物の多くの分類群が、落葉など枯死有機物の分解者として機能しているわけではないことを明らかにしました。
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花の数が100以上あるウワミズザクラを発見~研究素材や花⽊としての利⽤に期待~ 生物化学工学

花の数が100以上あるウワミズザクラを発見~研究素材や花⽊としての利⽤に期待~

ウワミズザクラの新品種を発⾒し、フサザキウワミズザクラと命名しました。フサザキウワミズザクラは⻑野県⻑野市の⾃然林から発⾒されました。ウワミズザクラは⻑さ8〜10cmの花序軸に20〜50個の花を1本の花序軸につけますが、フサザキウワミズザクラは花序軸がさらに分枝して、それぞれに花をつけるのが特徴で、1つの花序に全体で100個を超える花をつけることもありました。
世界初 スギのゲノム編集技術を開発~針葉樹の品種改良の期間を⼤幅に短縮する新技術として期待~ 細胞遺伝子工学

世界初 スギのゲノム編集技術を開発~針葉樹の品種改良の期間を⼤幅に短縮する新技術として期待~

針葉樹において、狙った遺伝⼦領域だけを特異的に改変するゲノム編集技術を世界で初めて開発した。スギに導⼊した蛍光タンパク質遺伝⼦を標的としたゲノム編集を⾏い、「蛍光の消失」を指標として CRISPR/Cas9 システムの最適化を⾏った。「葉が⽩くなる」という形質改変を起こすことに成功した。
ウイルスと寄生蜂とイモムシ 3者の相互作用が育んだ蜂殺し遺伝子の発見 生物化学工学

ウイルスと寄生蜂とイモムシ 3者の相互作用が育んだ蜂殺し遺伝子の発見

昆虫に寄生する寄生蜂に対抗するために昆虫や昆虫に感染するウイルスが持っている、全く新しい遺伝子を発見した。
やんばるでは、地上性のマングースが飛べる鳥にも悪影響を及ぼしていた 生物環境工学

やんばるでは、地上性のマングースが飛べる鳥にも悪影響を及ぼしていた

沖縄島北部の森林地帯(やんばる)において、この島にしか⽣息しない固有⿃類3種の保全のためには、マングースの防除が極めて重要であることを明らかにした。
スギの”香り”が語ること 〜生物起源揮発性有機化合物放出の地理変異を解明〜 生物環境工学

スギの”香り”が語ること 〜生物起源揮発性有機化合物放出の地理変異を解明〜

遺伝的に異なる全国12集団の天然スギから放出される生物起源揮発性有機化合物(BVOC)の放出パタンを同一環境下で定量し、テルペン類の組成と量が集団によって大きく異なることを明らかにした。BVOC放出は集団が分布する地域の気候だけでなく、病原菌組成とも密接な関係にあることを見出した。
一度ササ原になるとなかなか森には戻らない ~皆伐されたブナ林を約40年間モニタリング調査~ 生物環境工学

一度ササ原になるとなかなか森には戻らない ~皆伐されたブナ林を約40年間モニタリング調査~

2021-02-04 森林総合研究所 ポイント 広葉樹林の伐採後にササ原となった場所が自然に森林へと再生するかどうか?これを検証するため、ササの密生するブナ林の皆伐前後の変化を約40年かけて調べました。 ブナ林を単に皆伐するとササがさらに繁...
異なる地域のどんぐりを植えて生じる悪影響~ミズナラの種苗移動による成長低下と遺伝的交雑~ 生物環境工学

異なる地域のどんぐりを植えて生じる悪影響~ミズナラの種苗移動による成長低下と遺伝的交雑~

2021-01-14 森林総合研究所 ポイント 環境保全のために広葉樹を植林する場合には、地元の地域の種苗を用いるとする遺伝的ガイドラインが提唱されています。 日本に広く分布するミズナラの種苗を異なる地域に移植したところ、成長が低下し、異な...
準絶滅危惧種オオミズナギドリの大規模繁殖地が危機に 生物環境工学

準絶滅危惧種オオミズナギドリの大規模繁殖地が危機に

伊豆諸島御蔵島のノネコによる捕食の実態が明らかに 2020-12-08 森林総合研究所,東京大学⼤学院農学⽣命科学研究科,山階鳥類研究所 ポイント 御蔵島のノネコは1年間に1匹あたり平均313羽のオオミズナギドリを捕食していると推定されまし...
シカ糞の遺伝情報から、シカの食べる植物の季節変化を解明 細胞遺伝子工学

シカ糞の遺伝情報から、シカの食べる植物の季節変化を解明

森のシカは、夏は落ち葉を、冬は嫌いな植物を食べて生きぬく 2020-10-16 京都大学 古田智博 農学研究科修士課程学生(研究当時)、高柳敦 同准教授、井鷺裕司 同教授、中濵直之 兵庫県立大学自然・環境科学研究所講師(兵庫県立人と自然の博...
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