理化学研究所

有機化学・薬学

新型コロナウイルス感染症治療薬の候補物質を発見

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ゲノムRNAに対して分解作用を持つ化合物のスクリーニング系を開発し、低分子化合物CDM-3008がSARS-CoV-2に対して抑制作用を持つことを発見しました。CDM-3008を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新たな経口または吸入治療薬として提案するもので、特に重症化を予防する効果が期待できます。
生物化学工学

タンパク質の連続的な合成を保証するリボソーム「トンネル」の役割を発見

翻訳の連続性を破綻させる「リボソームの不安定化」現象について解析し、リボソーム内部の新生タンパク質(新生鎖と呼ぶ)の通り道(「トンネル」)と新生鎖間との相互作用が、翻訳破綻のリスクを抑制していることを見出した。
医療・健康

遺伝性脳小血管病に対するカンデサルタンの有効性を確認~脳動脈硬化の新たな治療法として期待~

遺伝性の脳小血管病の一つである、CARASIL(皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体劣性遺伝性脳動脈硬化症)が、マトリソームタンパク質の蓄積による加齢性の血管硬化によって発症するという新たな分子メカニズムを発見し、カンデサルタンの投与によって、CARASILモデルマウスの脳血管機能障害が治療可能であることを発見しました。
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生物化学工学

光で記憶を消去する ~よい記憶に睡眠が必要な理由を解明~

光を照射して記憶を消すことができるようになりました。イソギンチャク由来の光増感蛍光タンパク質を使って、シナプスのタンパク質を光照射により不活化することを試みました。このタンパク質は光を照射すると、活性酸素を放出し周囲のタンパク質を不活化します。この性質を利用すると、記憶を起こしたシナプスのみを消すことができました。
医療・健康

原発性免疫不全症の新しい原因遺伝子変異を同定~AIOLOS遺伝子のミスセンス変異~

米国で見つかった原発性免疫不全症(PID)の家族症例の解析から、PIDの新しい原因遺伝子変異としてAIOLOS転写因子をコードする遺伝子の「ミスセンス変異」を同定しました。
細胞遺伝子工学

難消化性デンプンを豊富に合成するキャッサバ植物の開発~機能性食品の素材開発に貢献~

難消化性デンプンを豊富に含む熱帯植物キャッサバの開発に成功しました。
医療・健康

新たな大理石骨病とその原因遺伝子を発見

新たなタイプの骨の遺伝性難病、「Ikegawa型大理石骨病(osteopetrosis,Ikegawa type)」を発見し、その原因遺伝子SLC4A2を同定しました。大理石骨病の治療法の開発、ならびに骨の量を制御する破骨細胞の制御機構のさらなる解明につながると期待できます。
医療・健康

指定難病に関わるタンパク質が脂質の二重層内移動を促進~病態に関わる脂質移動の新しいメカニズムの解明~

神経疾患に関わる「PMP2タンパク質」が細胞膜を構成する脂質の一種である「スフィンゴミエリン」を細胞膜の脂質二重層の外層から内層に移動させることを明らかにしました。
医療・健康

GABAを標的とする抗腫瘍免疫機構~代謝産物を介した免疫細胞間制御の一端を解明~

神経伝達物質GABAが末梢の活性化B系統細胞により、合成および分泌されることを発見した。B細胞由来のGABAは、単球から抗炎症性マクロファージへの分化を促進し、インターロイキン-10(IL-10)の産生を増強することで、細胞傷害性T細胞の機能を阻害することが明らかになった。マウスモデルではB細胞欠損またはB細胞特異的にGABA合成酵素GAD67を欠損すると、抗腫瘍免疫反応が増強された。
生物化学工学

小脳の大規模可視化に成功~マウス小脳における感覚情報表現の仕組みを解明~

小脳全体で時々刻々と変化する感覚入力をリアルタイムで表現していることを見いだしました。「セグメント」と呼ばれる小区域の活動パターンの組み合わせが、全体として身体のさまざまな部位への感覚入力の確率をリアルタイムで表現する、分散型の集団符号化を行っていることが明らかになりました。
有機化学・薬学

生体内の病原性寄生虫トキソプラズマの寄生胞膜を認識する仕組みを解明~Irgb6の結晶構造解析に成功~

病原性寄生虫トキソプラズマ原虫の殺傷に関わるタンパク質であるIrgb6の結晶構造解析に成功しました。その分子構造をもとに行ったシミュレーションや細胞を使った検証実験によって、Irgb6がトキソプラズマの寄生胞膜を認識するメカニズムを分子レベルで解明しました。
生物化学工学

植物の組織修復と接ぎ木における器官再接着に必要な転写因子を発見

モデル植物のシロイヌナズナを用いた研究によって傷口の治癒と器官の再接着に必要な転写因子「WOX13」を発見しました。WOX13はコケ植物でも傷害によって誘導される細胞リプログラミングに必要であることが知られており、本研究は傷害応答と器官再生を制御する仕組みの進化を理解するうえでも重要な知見です。
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