理化学研究所

生命誕生初期のタンパク質を再現する試み~7種類のアミノ酸で古代タンパク質は創れる~ 細胞遺伝子工学

生命誕生初期のタンパク質を再現する試み~7種類のアミノ酸で古代タンパク質は創れる~

原始的なタンパク質構造と考えられているDouble-psi-beta-barrel(DPBB)の誕生・進化過程を実験的に再現しました。現在の生物が持つDPBBの構造および配列情報を基に祖先の配列を推定し、古代に存在したと考えられるDPBBを再構成したところ、最も単純な古代DPBB構造は7種類のアミノ酸50個程度からなる短いペプチド配列で成立することが分かりました。これら7種のアミノ酸はコドン表においてまとまった位置に局在しており、太古の原始的なタンパク質合成システムによってDPBBが生産されていた可能性が示されました。
アストロサイトが担うシナプス制御メカニズムを発見~GluN2C-NMDA受容体がシナプス強度分布幅を拡大する~ 医療・健康

アストロサイトが担うシナプス制御メカニズムを発見~GluN2C-NMDA受容体がシナプス強度分布幅を拡大する~

脳内のアストロサイトに発現するグルタミン酸受容体の一つであるGluN2C-NMDA受容体が、海馬の神経細胞間の情報の伝わりやすさを調整することを発見しました。
人工知能で酵素を自動設計 〜 様々な機能性タンパク質開発の加速に期待 〜 有機化学・薬学

人工知能で酵素を自動設計 〜 様々な機能性タンパク質開発の加速に期待 〜

人工知能と実験を組み合わせる手法を酵素タンパク質の機能改変に適用し、目的とする機能性タンパク質を従来の方法よりも少ない実験で効率よく得ることに成功しました。この実験で得られたペプチド転移酵素は、触媒機能が5倍向上しました。
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ステロイド関連大腿骨頭壊死症の発生に関わる遺伝子を同定~病態解明の突破口に~ 医療・健康

ステロイド関連大腿骨頭壊死症の発生に関わる遺伝子を同定~病態解明の突破口に~

日本人と韓国人合わせて約13万人からなるアジア人集団の遺伝情報を用いてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、「全身性エリテマトーデス(SLE)患者に伴うステロイド関連大腿骨頭壊死症(S-ONFH)」の発生に関わる疾患感受性領域を新たに3カ所同定しました。
B型肝炎ウイルスは肝臓がんの染色体転座を引き起こす~長鎖シークエンサーを用いたがん全ゲノム解析~ 医療・健康

B型肝炎ウイルスは肝臓がんの染色体転座を引き起こす~長鎖シークエンサーを用いたがん全ゲノム解析~

B型肝炎から発生した肝臓がんのゲノム解析により、B型肝炎ウイルス(HBV)のゲノムが肝臓がんのゲノムに組み込まれ、「染色体転座」を引き起こすことを発見しました。
東南アジアのキャッサバ重要品種の形質転換系を開発~有用キャッサバの育種に貢献~ 細胞遺伝子工学

東南アジアのキャッサバ重要品種の形質転換系を開発~有用キャッサバの育種に貢献~

東南アジアのキャッサバ重要品種を用いた「形質転換植物作出技術」の開発に成功しました。
休眠をもたらす遺伝子の探索~休眠中の筋肉に起こる遺伝子発現変化を網羅的に解析~ 生物工学一般

休眠をもたらす遺伝子の探索~休眠中の筋肉に起こる遺伝子発現変化を網羅的に解析~

過酷な環境に置かれた哺乳類が自ら代謝を下げて生存を図る「休眠」に関わる遺伝子を探索し、転写因子Atf3がマウスの「日内休眠」に重要な役割を果たすことを発見しました。休眠研究のモデル動物としてマウスが有用であることが示されました。今後さらに休眠メカニズムの解析を進めることで、日内休眠や長期の休眠現象である冬眠を人工的に誘導する技術への応用が期待できます。
窒素固定を行うアナベナヘテロシストの光捕集機構を解明 有機化学・薬学

窒素固定を行うアナベナヘテロシストの光捕集機構を解明

シアノバクテリアAnabaena sp. PCC 7120の窒素欠乏条件下で形成されるヘテロシストのタンパク質発現および励起エネルギー伝達機構の解明に成功しました。ヘテロシストでは光化学系II(PSII)の分子集合中間体が存在し、PSII中間体から光化学系I(PSI)へ励起エネルギー伝達されないことが明らかになりました。
新型コロナウイルス感染症治療薬の候補物質を発見 有機化学・薬学

新型コロナウイルス感染症治療薬の候補物質を発見

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ゲノムRNAに対して分解作用を持つ化合物のスクリーニング系を開発し、低分子化合物CDM-3008がSARS-CoV-2に対して抑制作用を持つことを発見しました。CDM-3008を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新たな経口または吸入治療薬として提案するもので、特に重症化を予防する効果が期待できます。
タンパク質の連続的な合成を保証するリボソーム「トンネル」の役割を発見 生物化学工学

タンパク質の連続的な合成を保証するリボソーム「トンネル」の役割を発見

翻訳の連続性を破綻させる「リボソームの不安定化」現象について解析し、リボソーム内部の新生タンパク質(新生鎖と呼ぶ)の通り道(「トンネル」)と新生鎖間との相互作用が、翻訳破綻のリスクを抑制していることを見出した。
遺伝性脳小血管病に対するカンデサルタンの有効性を確認~脳動脈硬化の新たな治療法として期待~ 医療・健康

遺伝性脳小血管病に対するカンデサルタンの有効性を確認~脳動脈硬化の新たな治療法として期待~

遺伝性の脳小血管病の一つである、CARASIL(皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体劣性遺伝性脳動脈硬化症)が、マトリソームタンパク質の蓄積による加齢性の血管硬化によって発症するという新たな分子メカニズムを発見し、カンデサルタンの投与によって、CARASILモデルマウスの脳血管機能障害が治療可能であることを発見しました。
光で記憶を消去する ~よい記憶に睡眠が必要な理由を解明~ 生物化学工学

光で記憶を消去する ~よい記憶に睡眠が必要な理由を解明~

光を照射して記憶を消すことができるようになりました。イソギンチャク由来の光増感蛍光タンパク質を使って、シナプスのタンパク質を光照射により不活化することを試みました。このタンパク質は光を照射すると、活性酸素を放出し周囲のタンパク質を不活化します。この性質を利用すると、記憶を起こしたシナプスのみを消すことができました。
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