2023-01-24 米国国立標準技術研究所(NIST)
In a new study, researchers demonstrate the capability of DNA biosensor components for a unique modular DNA biosensor. The researchers plan to integrate their design within a device the size and shape of a smartphone for low-cost clinical diagnostics.Credit: N. Hanacek/NIST
◆米国国立標準技術研究所(NIST)、ブラウン大学、フランス政府出資の研究機関CEA-Letiの研究者が開発したこのバイオセンサーは、DNA鎖とデバイスの間の結合状態を測定することでバイオマーカーを特定するものである。他の類似のセンサーと異なる点は、モジュール設計になっていることで、大量生産が容易になり、最も高価な部品を再利用することでコストを下げている。
◆研究者らは、最新のIEEE International Electron Devices Meetingのオンライン版に掲載された論文の中で、一般的に性能が低下するとされるモジュール式にもかかわらず、このデバイスの高い感度と精度を実証する研究結果を発表しています。
◆このデバイスは、他のDNAバイオセンサーと同様、一本のDNA鎖が二重らせんの中で他のDNA鎖と対になっていないとき、化学結合しやすい状態にあることを利用している。装置の一部は、一本鎖のDNAでコーティングされている。この「プローブ」が、対応する、あるいは相補的な遺伝子配列を持つDNAバイオマーカーに出会うと、2本の鎖が結合し、装置で拾われる信号が発信されるのだ。
◆標的DNAの鎖がプローブと結合すると、電界効果トランジスタ(FET)と呼ばれる半導体デバイスが測定可能な電圧シフトを引き起こす。この方法は時間分解能が高いため、DNA鎖がプローブと結合しているかどうかだけでなく、結合と切断にかかる時間も知ることができる。この結合動態という要因は、同じプローブと結合しても程度が異なるマーカーを識別する上で重要なものである。
◆しかし、FETを用いた方法は、大きな障害となっているのは、1回しか使えないという点だ。電気信号が電子機器内を移動する間に、不要なランダムノイズを拾ってしまい、信号の測定が難しくなる。
◆バリジェパリ教授らは、今回の研究で、プローブとトランジスタの距離を長くし、より高価な回路素子を再利用できるようにした。しかし、この設計上の選択から得られるものは、コスト削減以外にもたくさんあった。
◆このデバイスの性能を調べるため、有害な電離放射線への曝露に関連するDNA鎖を含む液体サンプルにデバイスを設置しました。FETに接続された電極には、相補的なDNAプローブが付着している。いくつかのサンプルで、標的DNAの量を変化させた。
◆研究者らは、低濃度でも正確な測定ができるほど結合速度が敏感であることを見いだした。全体として、モジュール化された設計の性能は、モジュール化されていないFETベースの統合型バイオセンサーと同等であった。
<関連情報>
- https://www.nist.gov/news-events/news/2023/01/new-dna-biosensor-could-unlock-powerful-low-cost-clinical-diagnostics
- https://ieeexplore.ieee.org/document/10019493
ダブルゲートFD-SOIトランジスタによる高分解能DNA結合ダイナミクス測定 High-Resolution DNA Binding Kinetics Measurements with Double Gate FD-SOI Transistors
Seulki Cho,Alexander Zaslavsky,Curt A. Richter,Jacob M. Majikes,J. Alexander Liddle,François Andrieu,Sylvain Barraud,Arvind Balijepalli
IEEE International Electron Devices Meeting Date of Conference: 03-07 December 2022
DOI:https://doi.org/10.1109/IEDM45625.2022.10019493
Abstract
Double gate fully-depleted SOI transistors operating in a remote gate configuration and under closed-loop feedback allow noise performance that exceeds their single gate counterparts by more than an order of magnitude. We leverage this high performance to measure DNA binding in real-time, extracting quantitative association rates that scale with analyte concentration. Our low noise measurements allow a limit of detection (LOD) of ≈ 100 fM by using a sensor chip attached to reusable readout circuitry. Finally, we demonstrate the devices can be operated at high ionic strengths allowing flexibility in assay design for a modest tradeoff in LOD.