細胞単位で計測できる新しい細菌叢解析法のプロトコルを公開

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2023-11-28 理化学研究所

理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 細胞システム動態予測研究チームの城口 克之 チームリーダーらの研究チームは、多種多数の細菌で構成される細菌叢の個々の細胞を区別して、極めて正確に細菌の種類と数を計測する手法「BarBIQ法」(バービキュー法)注1)について、その詳細な実験手順や条件などを記載したプロトコル論文をオンライン科学雑誌『Nature Protocols』(11月27日付)に発表しました。

これにより多くの研究者がBarBIQ法を利用できるようになり、ヒトを含めた動物や植物に共生する細菌叢や環境細菌叢の解析などを含め、海洋学、地質学、大気科学といった地球科学の分野などでの応用も期待できます。

なお、研究チームが行なったBarBIQ法の実証実験(ビタミンA欠乏に伴うマウス腸内細菌叢の微少な変化の解析)は2022年2月22日プレスリリース「細菌一つを見分ける細菌叢計測法の開発」に記載されています。

注1)Jianshi Jin, Reiko Yamamoto, Tadashi Takeuchi, Guangwei Cui, Eiji Miyauchi, Nozomi Hojo, Koichi Ikuta, Hiroshi Ohno, Katsuyuki Shiroguchi, “High-throughput identification and quantification of single bacterial cells in the microbiota”, Nature Communications 10.1038/s41467-022-28426-1

細胞単位で計測できる新しい細菌叢解析法のプロトコルを公開

BarBIQ法のプロトコルに従って、未知サンプル中の細菌叢を詳細に解析!

研究チーム

生命機能科学研究センター 細胞システム動態予測研究チーム
チームリーダー 城口 克之(シログチ・カツユキ)
上級研究員(研究当時)金 坚石(ジン・ジャンシ、Jin Jianshi)
テクニカルスタッフ 山本 れいこ(ヤマモト・レイコ)

研究支援

本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけ)「統合1細胞解析のための革新的技術基盤(研究総括:浜地格)」の研究課題「生体システム理解・医科学応用を実現する1細胞核酸計測技術の開発(研究者:城口克之)」、中谷医工計測技術振興財団技術開発研究助成(特別研究)の研究課題「菌叢ネットワークの理解・コントロールへ向けた”次世代”菌叢解析法の開発(研究者:城口克之)」の助成を受けて行われました。

原論文情報

Jianshi Jin, Reiko Yamamoto, Katsuyuki Shiroguchi, “BarBIQ enables high-throughput identification and quantification of single bacterial cells in the microbiota based on 16S rRNA sequencing with single-base accuracy”, Nature Protocols, 10.1038/s41596-023-00906-8

発表者

理化学研究所
生命機能科学研究センター 細胞システム動態予測研究チーム
チームリーダー 城口 克之(シログチ・カツユキ)

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当

生物化学工学
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