2023-12-20 京都大学
本研究のイメージ図
不安障害は世界中で2億8,000万人以上に影響を与える精神疾患の一つです。不安障害は、家族間で遺伝が認められるなど遺伝的な要因が原因の一つとして考えられており、不安障害に関わる遺伝子の解析が進められてきました。同時に、霊長類を用いた研究において、不安障害に関与する脳回路の同定が行われてきました。しかしながら、この遺伝的な要因と脳回路との関連性は、不明のままでした。この度、京都大学ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)Kalyani Karunakaran大学院生(研究当時)、雨森 賢一 主任研究者のグループは、不安障害に関わる遺伝子とその遺伝子の発現する脳回路を、統計学的解析手法を用いてマッピングすることに成功いたしました。さらに、本研究において、研究グループは不安障害に関わる2つの遺伝子群を発見しました。この遺伝子群の更なる分析によって、不安障害の発症機序の解明や治療法の開発など、不安障害の治療へ新しい洞察をもたらすことが期待されます。
本結果は、2023年12月13日(イギリス標準時)にTranslational Psychiatry誌にオンラインで掲載されました。
詳しい研究成果は こちら
論文書誌情報
Kalyani Karunakaran and Ken-ichi Amemori (2023) Spatiotemporal expression patterns of anxiety disorder-associated genes, Translational Psychiatry. DOI: 10.1038/s41398-023-02693-y