固有の魚「ホンモロコ」が産卵回帰することを発見 ホンモロコの生態解明と資源回復に繋がる世界初の研究成果

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2024-02-14 京都大学

佐藤拓哉 生態学研究センター准教授、甲斐嘉晃 フィールド科学教育研究センター准教授、中山耕至 農学研究科助教、亀甲武志 近畿大学准教授、金岩稔 三重大学准教授、滋賀県水産試験場の石崎大介氏、桑村邦彦氏、岡本晴夫氏、井出充彦氏、根本守仁氏、藤岡康弘氏、滋賀県水産振興協会の竹岡昇一郎氏らの研究グループは、コイ科魚類のホンモロコが、生まれ育った場所から琵琶湖を広く回遊した後に、産卵のために生まれ育った場所に高い確率で回帰することを明らかにしました。

コイ科魚類が産卵のために生まれた場所に回帰することを確認したのは世界初の成果であり、琵琶湖の重要水産魚種であるホンモロコの生態解明や資源回復に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2024年2月13日に、国際学術誌「Canadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciences」にオンライン掲載されました。

文章を入れてください琵琶湖の重要水産魚種であるホンモロコ

研究者のコメント

「農家や漁師の方々にご協力いただいたおかげで、ホンモロコの大量標識放流を行い、漁獲物を解析して、稚魚から親魚になるまでの琵琶湖内での回遊生態を明らかにすることができました。本研究から、ホンモロコは沿岸から沖合まで広く回遊した後に、生まれ育った場所に産卵のために戻ってくることがわかりました。本研究成果などによって琵琶湖各地での産卵保護の重要性が認識されたため、平成28年(2016年)から、産卵時期である5・6月に琵琶湖全域でホンモロコの自主禁漁に取り組むようになりました。そのような取り組みの成果もあり、現在、琵琶湖のホンモロコ資源は回復傾向にあります。ホンモロコはとても美味しい魚ですので、ぜひ皆さんにもっと食べてほしいと思います。」(亀甲武志)

詳しい研究内容について

琵琶湖固有の魚「ホンモロコ」が産卵回帰することを発見 ホンモロコの生態解明と資源回復に繋がる世界初の研究成果

研究者情報

研究者名:佐藤 拓哉
研究者名:甲斐 嘉晃
研究者名:中山 耕至

メディア掲載情報

【DOI】
https://doi.org/10.1139/cjfas-2022-0207

【書誌情報】
Takeshi Kikko, Takuya Sato, Minoru Kanaiwa, Daisuke Ishizaki, Kunihiko Kuwamura, Haruo Okamoto, Atsuhiko Ide, Morihito Nemoto, Shoichiro Takeoka, Yoshiaki Kai, Kouji Nakayama, Yasuhiro Fujioka (2024). Apparent migration and natal homing of a small minnow in a large ancient lake. Canadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciences.

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