人間だけでなく、チンパンジーなどの哺乳類も「白目」を持っていることが判明(Chimpanzees and Other Mammals Have the ‘Whites of the Eye’ Too, Not Just Humans)

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2023-02-06 テキサス大学オースチン校(UT Austin)

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Credit: Kevin Langergraber

◆テキサス州オースチン – 長らくコミュニケーションに重要な人間特有の特徴と考えられてきた、目に見える白い強膜(「白目」)は、これまで報告されてきたよりもチンパンジーやその他の哺乳類に多く見られることが、テキサス大学オースチン校の研究者らによる新しい研究で明らかになりました。
◆Journal of Human Evolution誌に掲載されたこの研究は、ウガンダのキバレ国立公園内の生息地であるンゴゴに住む230頭の野生チンパンジーの1,000枚以上の写真を分析したものである。その結果、15%のチンパンジーが白色の強膜を持ち、さらに41%が褐色や茶色の強膜、または色の薄い斑点のある強膜など、何らかの色の薄い強膜を持つことが判明した。白色と淡色の強膜は、1歳半未満の乳児に最も多く見られ、年齢が上がるにつれてしばしば黒くなっていった。強膜の色が濃いチンパンジーでは、75%が淡い虹彩を示し、これによってコントラストが生まれ、動物の視線の方向を観察しやすくなっている。
◆人間以外の多くの動物では、強膜は黒く、どこを見ているのか判別しにくい。科学者たちは長い間、ヒトの白い強膜が複雑な社会的コミュニケーションの進化を促したと仮定し、他の種の明るい強膜の例を異常とみなす傾向があった。
◆最近の研究では、他の霊長類における白い強膜が報告されていますが、ヒトの最も近い近親者であるチンパンジーでは、有意な有病率を見つけることが出来ませんでした。この新しい研究は、これまでの研究よりも大きなサンプルサイズを使用し、その結果、強膜の色にこれほど多くのバリエーションを観察することができたと著者達は考えています。

<関連情報>

白色強膜はチンパンジーなどの哺乳類に存在する
White sclera is present in chimpanzees and other mammals

Isabelle R. Clark, Kevin C. Lee, Tucker Poux , Kevin E. Langergraber, John C. Mitani , David Watts , James Reed, Aaron A. Sandel
Journal of Human Evolution  vailable online: 25 January 2023
DOI:https://doi.org/10.1016/j.jhevol.2022.103322

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