ナトリウムイオンからひも解く睡眠時の神経活動メカニズム~電位依存性ナトリウムチャネルの睡眠における役割~

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2025-01-30 東京大学

発表のポイント

◆睡眠時の大脳皮質神経で観察される神経発火パターンをナトリウムイオンの動態に着目した数理モデルから再現。
◆電位依存性ナトリウムチャネルが重要であることを提唱。
◆睡眠とその異常のしくみの解明に繋がることが期待される。

ナトリウムイオンからひも解く睡眠時の神経活動メカニズム~電位依存性ナトリウムチャネルの睡眠における役割~

概要

東京大学 大学院医学系研究科 機能生物学専攻 システムズ薬理学分野の上田泰己教授(理化学研究所 生命機能科学研究センター 合成生物学研究チーム チームリーダー兼任、久留米大学 特別招聘教授兼任)、佐藤智英学部学生らの研究グループは、ホジキン・ハクスレーモデル(注1)をベースにした数理モデルを用いて、睡眠時に観察される神経発火パターン(注2)を制御する分子メカニズムをナトリウムイオンに着目して調べ、ナトリウムイオンチャネルが重要である可能性を提案しました。これまでに研究グループは、睡眠時の神経発火パターンについてカルシウムイオンに着目した数理モデル研究をおこなってきました(関連情報)。今回、神経細胞の興奮性制御に重要なナトリウムイオンに着目し、数理モデル解析から電位依存性ナトリウムチャネル(注3)から細胞内に流入したナトリウムイオンが、ナトリウム依存的カリウムチャネル(注4)を活性化する機構が睡眠時の神経発火パターンを生み出しうることを示しました。本研究の成果は睡眠覚醒の制御機構の解明、そして睡眠障害および睡眠障害を合併するさまざまな精神疾患・神経変性疾患の機序の解明に繋がることが期待されます。

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医療・健康
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