心臓発作治療薬による出血を逆転させるモノクローナル抗体(Monoclonal Antibody Can Reverse Effects of Bleeding and Complications Linked to Common Medication for Heart Attacks)

マウントサイナイ病院が主導する国際臨床試験「REVERSE-IT」により、心臓発作などの治療に用いられる抗血小板薬チカグレロルの出血合併症を安全かつ迅速に逆転させるモノクローナル抗体「ベントラシマブ」の有効性が示されました。ベントラシマブは、チカグレロルおよびその活性代謝物と結合することで抗血小板作用を打ち消し、血小板機能を即時に回復させます。第3相試験では226人の患者が投与され、94.3%で出血制御が成功、緊急手術患者では100%という結果を達成。ベントラシマブは、脳出血などの重篤な出血リスクや緊急手術の必要がある患者の生命を救う可能性があり、承認されれば初の抗血小板逆転薬として臨床現場に大きな影響を与えると期待されています。