2025-07-07 国立循環器病研究センター
本研究では、2014–2021年に日本でTAVRを受け、心房細動を合併する10,041人の高齢患者を対象に、術後抗凝固薬としてDOACとVKAの臨床効果と安全性を全国レセプト・特定健診データベース(RWD)を用いて比較しました。傾向スコアマッチング解析の結果、3年間の追跡で、VKA群はDOAC群に比べ、血栓イベントリスクが1.46倍(DOAC:2.2 vs VKA:3.6/100人年)、出血イベントリスクが1.21倍(DOAC:7.1 vs VKA:10.0/100人年)と有意な悪化が見られました。人口ベースの大規模データと長期追跡により、DOACがTAVR後の心房細動合併患者における抗凝固療法として、VKAに比べ有効かつ安全な選択肢となる可能性が示されました。これらの知見は、高齢心血管患者における術後管理や薬剤選択に役立つ臨床指針情報となります。

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