20〜35歳では「胃がん」は男性より女性の方が多い 女性の健康総合センターが疾患別性差の可視化レポートを公開 ～性差に合わせて適切な医療を設計する未来を目指して～

国立成育医療研究センター女性の健康総合センターは、ナショナルセンター医療研究連携推進本部(JH)研究グループと共同で、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB, 2012〜2020年度)を解析し、疾患ごとの性差を可視化したレポートを公開した。解析の結果、一般に「男性に多い」とされる胃がんが、20〜35歳の若年層では女性に多い傾向があることを明らかにした。また、女性に多いとされるクモ膜下出血は年齢が上がるほど女性比が増加することが示された。乳がんは30歳以降の全世代で女性に多いが、55歳以降は男性患者が増加し、性差が縮小する傾向が確認された。本研究は全国規模データを用いた初の包括的性差分析であり、今後の医療政策や健康施策の基盤となる。研究チームは、今後もライフコース全体を視野に入れ、性差に基づく医療の設計に資するデータ解析を継続する方針である。