2025-11-19 東北大学
東北大学の研究チームは、難聴を有するミトコンドリア病患者を対象に、ミトコンドリア機能改善薬「MA‑5(Mitochonic Acid-5)」の第II相臨床試験を世界で初めて開始しました。MA-5は、これまでモデル生物実験で神経筋やミトコンドリアの劣化状態に改善効果を示しており、今回、実際のミトコンドリア病患者の難聴症状に対してその有効性と安全性を検証します。ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの異常により全身の臓器・筋肉・神経が影響を受ける難治疾患であり、特に難聴症状を伴うケースでは治療選択肢が限られていました。研究グループは、投与後の聴力変化、ミトコンドリア活動指標、生活の質(QOL)指標などを追跡し、将来的にはこの薬がミトコンドリア病治療の新たな柱となることを目指しています。

図1. ミトコンドリア病は小児期から全身の機能障害がおきる希少難病である。
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