コンピュータシミュレーションで細胞の集団運動を理解する

ad
ad

物理学と生物学とを融合した新しい理論モデルの構築

2021-08-02 京都大学

山本量一 工学研究科教授、Simon Schnyder 同特定助教、Li Jintao 同博士課程学生らの研究グループは、Matthew Turner 英国・ウォーリック大学教授と共同で、物理学と生物学のハイブリッド理論を用いて多細胞システムの成長ダイナミクスを予測することに成功しました。

この研究では、「細胞周期」と呼ばれる細胞の成長と分裂を制御するための生化学的ネットワーク(図(a))を物理学的な手法で個々の細胞に組み込み(図(b))、多数のそのような細胞で構成されるモデル系に対してコンピュータシミュレーションを行うことで(図(c))、多細胞システムの成長理論を導きました。この成果は、がん細胞の健康な組織への侵入や、胚の成長の仕組みなどの研究に応用できます。さらには本研究のハイブリッド理論をきっかけに、生物学と物理学との統合が強化され、両方の視点が一貫して反映されるような新しい研究が増えるものと期待できます。

本研究成果は、2021年7月30日に、国際学術誌「Physical Review X」のオンライン版に掲載されました。

個々の細胞に成長と分裂を制御するために組み込まれている細胞周期(a)、(b)と、コロニーの成長などの多細胞系で発生する統率された集団運動(c)の概念図
図:個々の細胞に成長と分裂を制御するために組み込まれている細胞周期(a)、(b)と、コロニーの成長などの多細胞系で発生する統率された集団運動(c)の概念図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:山本量一
研究者名:Simon Schnyder

ad

生物工学一般
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました