顕微スキャン型多次元赤外円二色性分光システムを用いた昆虫下翅の局所的不斉構造の解析

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2021-08-20 愛媛大学

ポイント
  • 当研究室で独自に開発した顕微型赤外円二色性システムを用いて、昆虫の翅の局所的な不斉構造を解析した。
  • その結果、昆虫(アオドウガネ)の下翅では、翅の各部位(膜、翔脈等)によって異なるたんぱく質の組織化が起こっていることがわかった。
  • 得られた結果は、昆虫の翅の示す様々な機能(飛翔、光反射、疎水性等)とたんぱく質の組織化とを関連づける手がかりになると期待される。
アオドウガネの下翅の赤外吸収マッピングおよび、赤外円二色性スペクトルの例
概要

愛媛大学大学院理工学研究科 佐藤久子教授の研究グループは、東邦大学 山岸晧彦研究員、日本分光株式会社 小勝負純部長、日本大学文理学部 吉田純准教授、横浜国立大学大学院工学研究院 川村出准教授らとの共同で、当研究室で独自に開発した量子カスケードレーザーを用いた顕微スキャン機能型の多次元赤外円二色性分光装置を用いて、昆虫(アオドウガネ)の下翅におけるたんぱく質の局所高次構造を検出することに成功しました。

昆虫の翅はその多機能性により、生物模倣によるデバイス開発や材料開発の代表モデルです。そのため様々な機能(ホトニクス、撥水性、抗菌性など)が種々の方法で調べられています。しかしこれまで、キラリティ(右手型、左手型の構造)に着目した研究はあまりありませんでした。今回、開発した量子カスケードレーザーを用いた顕微スキャン機能型の多次元赤外円二色性分光装置を用いて翅のドメインごとのキラリティ解析がin-situで可能となりました。この装置では世界初の空間分解能100 µmを達成しています。その結果、アオドウガネの下翅の膜と翅脈ではたんぱく質の2次構造が異なっていることを見出しました。今後、この顕微スキャン技術を駆使して、昆虫の左翅、右翅の非対称的な機能などを解明することを目指しています。

詳しい資料は≫

お問い合わせ
愛媛大学大学院理工学研究科 教授 佐藤 久子

 

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