小笠原諸島の固有植物の起源を解明~ヤロード属の2種は異なる祖先種から種分化した~

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2022-03-31 京都大学

髙山浩司 理学研究科准教授、野田博士 同研究員、西村明洋 同博士課程学生、加藤英寿 東京都立大学助教、内貴章世 琉球大学准教授らの研究グループは、小笠原諸島に生育するキョウチクトウ科ヤロード属の固有種2種が、それぞれ異なる祖先種から独立に種分化したことを分子系統解析で明らかにしました。

小笠原諸島に自生する維管束植物280種の約45%にあたる125種が固有であると考えられています。ところがこれらの固有種の祖先が、どこから来て、いつ頃小笠原諸島にたどり着き、固有種へと進化していったのかは十分にはわかっていません。高山准教授らは、小笠原諸島に生育するキョウチクトウ科ヤロード属の固有種2種(ヤロードとホソバヤロード)に着目し、その進化的起源を明らかにするために、周辺地域の近縁種を含めた網羅的な分子系統解析を行いました。その結果、ヤロードは琉球列島に生育するシマソケイなどと近縁であるのに対して、ホソバヤロードはマリアナ諸島に生育するマリアナヤロードと近縁であることが分かりました。また、それぞれの近縁種とは約100-200万年前に分岐したことが示されました。この研究は、小笠原諸島で同属の固有種2種が全く異なる祖先種から種分化したことを明らかにし、同諸島の植物相の進化的起源がいかに複雑であるかを示しています。

本研究成果は、2022年3月28日に、国際学術誌「Molecular Phylogenetics and Evolution」のオンライン版に掲載されました。

小笠原群島固有のヤロード(左)と火山列島固有のホソバヤロード(右)(撮影:西村明洋、髙山浩司)図:小笠原群島固有のヤロード(左)と火山列島固有のホソバヤロード(右)(撮影:西村明洋、髙山浩司)

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:髙山浩司

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生物環境工学
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