深い海の底からアシタラズのウミナナフシの新種を発見

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2022-04-08 京都大学

下村通誉 フィールド科学教育研究センター准教授、白木祥貴 北海道大学大学院理学院修士課程学生、角井敬知 同大学院理学研究院講師の研究グループは、三重県沖の深海底からウミナナフシの新属新種を発見しました。

ウミナナフシは,ワラジムシやダイオウグソクムシなどが含まれる等(とう)脚目(きゃくもく)というグループの一員で、一部の淡水性・汽水性種を除き海域に生息しています。日本近海からはこれまで12属42種が報告されていますが、深海性種の研究は非常に限られていました。今回、研究船淡青丸の航海中に三重県沖の水深805–852 mから採集されたウミナナフシの1種について詳細な形態観察を行ったところ、既存の属のいずれにも該当しない特徴を有する未知の種であることが明らかになったため、新属新種Deltanthura(デルタンツラ) palpus(パルプス)(和名:サンカク アシタラズ ウミナナフシ)として報告しました。

深海底に潜む小型生物の多様性については、採集の難しさに加え、当該生物の正体を明らかにできる専門家が多くないことから特に理解が遅れています。しかし豊かな地球の生態系を守っていくためには、あまりヒトの目に触れることのない深海生物を含めた総合的な生物多様性の理解が欠かせません。これからも一歩ずつ着実に記載分類学的研究を推し進めていくことが強く望まれます。

なお本研究成果は,2022年3月31日(木)にZoosystematics and Evolution誌にてオンライン公開されました。

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サンカクアシタラズウミナナフシの側面写真(ホルマリン固定標本)。写真左側が体の前方。

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:下村通誉

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