組換え因子RAD51はCMGヘリカーゼの後ろでフォーク反転構造形成を促進する

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2023-05-01 国立遺伝学研究所

複製フォークはDNA障害などにより停止することが知られており、停止した複製フォークの電子顕微鏡観察からフォーク反転構造(ニワトリ足構造とも呼ばれる)が起きることが観察されています。また、このフォーク反転構造形成にはRAD51組換えタンパク質が必要であることが知られていました。しかしながら、反転フォークにおいて、それまで複製フォークを動かしていたCMGヘリカーゼが残っているのか、そうであればどこに居るのかわかっていませんでした。本研究では、 RAD51変異体の解析から、反転フォークはCMGヘリカーゼの後ろで形成されること、さらにはCMGヘリカーゼがなくなると、反転フォーク形成にRAD51の要求性がなくなることを見出しました。

組換え因子RAD51はCMGヘリカーゼの後ろでフォーク反転構造形成を促進する

図:反転フォークの形成モデル図。CMGヘリカーゼが停止すると、その背後でRAD51のアニーリング活性を使ってDNA会合が促進される。

本研究はDavid Cortez教授(Vanderbilt University, USA)と鐘巻研究室の共同研究として行われました。鐘巻研究室はCMGヘリカーゼを構成するMCMタンパク質を分解できるAID2細胞を作成しました。

RAD51 bypasses the CMG helicase to promoter fork reversal.
Liu W, Saito Y, Jackson J, Bhowmick R, Kanemaki MT, Vindigni A and *Cortez D.
Science (2023) 380, 382-387 DOI:10.1126/science.add7328

細胞遺伝子工学
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