白血病関連遺伝子変異を有する血液が心筋梗塞や脳梗塞を誘導するメカニズムの解明~ASXL1変異は炎症の増悪と遷延化を介して動脈硬化を誘導する~

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2024-12-11 東京大学

白血病関連遺伝子変異を有する血液が心筋梗塞や脳梗塞を誘導するメカニズムの解明~ASXL1変異は炎症の増悪と遷延化を介して動脈硬化を誘導する~

東京大学大学院薬学系研究科の北村俊雄 特任研究員(兼任 神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センターセンター長)、佐藤成 特任研究員、新領域創成科学研究科の合山進教授らの研究グループは、ASXL1 変異を有するクローン性造血が誘導する心血管病の原因を明らかにしました。
遺伝子異常を有する血球がクローン性に増殖している状態:クローン性造血(CH)は一見健常な人の血液において加齢に伴ってその有病率と変異血球の割合が増加し、心血管疾患の新たなリスク因子となることが報告され注目を集めています。本研究ではCHにおける最も頻度の高い変異の一つである白血病関連ASXL1変異が、血球における炎症の制御不全を引き起こすことで慢性炎症を介して動脈硬化を増悪させることを世界で初めて解明しました。さらにその原因を明らかにすることで、ASXL1変異による動脈硬化がIRAK阻害剤で抑制できることも判明しました。
本研究成果はASXL1変異CHが関与する心血管疾患の治療選択に役立つことが期待されます。

論文情報

Naru Sato, Susumu Goyama, Yu-Hsuan Chang, Masashi Miyawaki, Takeshi Fujino, Shuhei, Koide, Tamami Denda, Xiaoxiao Liu, Koji Ueda, Keita Yamamoto, Shuhei Asada, Reina Takeda, Taishi Yonezawa, Yosuke Tanaka, Hiroaki Honda, Yasunori Ota, Takuma Shibata, Motohiro Sekiya, Tomoya Isobe, Chrystelle Lamagna, Esteban Masuda, Atsushi Iwama, Hitoshi Shimano, Jun-ichiro Inoue, Kensuke Miyake, Toshio Kitamura*, “Clonal Hematopoiesis-related Mutant ASXL1 Promotes Atherosclerosis in Mice via Dysregulated Innate Immunity,” Nature Cardiovascular Research: 2024年12月9日, doi:10.1038/s44161-024-00579-w.
論文へのリンク (掲載誌)

医療・健康
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