在宅検査:血中カリウム値を迅速・簡便に測定する低侵襲ソリューション(Home Testing: A minimally Invasive Solution for Quick and Easy Determination of Blood Potassium Levels)

Fraunhofer IMM(マイクロ工学・マイクロシステム研究所)は、慢性腎臓病や心不全患者の血中カリウム値(高カリウム血症)を自宅で簡便に測定できる、最小限侵襲のウェアラブル・パッチ技術を開発中です。フランスのスタートアップ Ki’tech と共同で、皮下間質液の微小流体(マイクロフルイディクス)パッチを用い、間質液中の指標物(例:カリウム)を電気化学センサーで測定します。この間質液の成分濃度は血漿と同等で、数分以内にスマートフォンへ結果が表示可能。貼付パッチは直径5〜7cmで、NFCや低消費電力Bluetoothでスマートフォンに自動送信され、患者のプライマリケアや予防医療に応用できます。心臓透析患者などは、透析後の「週末の空白時間」にリスクが高まるため、リアルタイム測定が特に重要です。本技術はデモ機として開発され、年末から臨床試験を予定。設計には MEMS、センサー、ラボオンチップのノウハウが活かされており、血糖測定器のような自己管理ツールへの応用を目指しています。