酸素による活性酸素制御が精子形成に果たす役割を解明~活性酸素制御の破綻が男性不妊を引き起こす~

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2021-01-15 京都大学

篠原隆司 医学研究科教授らの研究グループは、酸素による活性酸素の制御が精子形成の維持に重要な役割を果たすことをモデルマウスによる実験で発見しました。

活性酸素は細胞が正常な代謝を行う過程で生じるものです。活性酸素は生体内のシグナル伝達に必要である一方で、細胞に害を与えるものでもあります。細胞の中にはミトコンドリアという細胞内小器官があり、ここから大量の活性酸素が発生します。実は活性酸素はミトコンドリア以外にもNADPHオキシダーゼ注1という酵素からも産生されており、この両者が主に細胞内の活性酸素量を決めています。

従来、活性酸素は生殖細胞に対して悪影響を与えると言われていましたが、今回の本研究グループの実験により、酸素がNADPHオキシダーゼとミトコンドリア 由来の活性酸素のバランスを制御し、両者が精子形成の過程でうまく使い分けられることが正常な精子形成に必要であることがわかりました。

本研究成果は、2021年1月14日に、国際学術誌「Genes and Development」のオンライン版に掲載されました。

酸素による活性酸素制御が精子形成に果たす役割を解明~活性酸素制御の破綻が男性不妊を引き起こす~
図:本研究の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:篠原隆司

医療・健康生物化学工学
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