生物環境工学

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連続して生じる異常気象は樹木の衰退を加速させる

世界自然遺産である小笠原諸島にて、種子の大量生産後、引き続いて起きた異常気象によって、樹木がどのように衰退・枯死していったのか、その生理過程を明らかにした。
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「1+1=2」じゃない共生の世界~2種の菌が植物にもたらす相乗効果と相殺効果~

植物の根から単離された13種類の真菌(きのこ・かび類)のそれぞれについて、1種だけ植物に接種した場合と、2種を組み合わせて接種した場合(78通り)で、植物の成長がどのように変わるか、包括的に評価した。1種だけの場合に植物の成長を大きく促進する菌を2種組み合わせた場合に元々の効果が相殺されてしまう一方、1種だけだとあまり植物にプラスの効果をもたらさない菌を2種組み合わせた場合に、植物の成長が大きく促進される場合があることを発見した。
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植物の多種共存を説明する新たなメカニズムの発見 ~開花前の自家受粉の進化が引き起こす進化的救助~

個体ベースモデルを用いたシミュレーションを行い、同じ種の送粉者を共有し競争関係にある植物2種において、個体数の少ない種でより高い自家受粉率が進化することで個体数が増加に転じる進化的救助が発生し、それによって2種の長期的な共存が促進されることを明らかにしました。
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果物が追熟するのは何のため? ~見逃されていた生態学的意義を初めて検証~

収穫したあとも成熟が続く果物(追熟型果実)と収穫後は成熟しない果物(非追熟型果実)の違いが生まれた進化的な仮説を提案した。80種の果物を対象にした文献調査で、追熟型果実は地上徘徊性の動物に、非追熟型果実は樹上性の動物に食べられ種子散布される傾向があることを見つけた。
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虫が動く速さと環境温度との関係

ショウジョウバエ属に属する11種の幼虫が移動する速さと、各動物種の生息域の気温との間に相関関係があることを発見した。
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堆積物の環境DNAで探る過去の出来事~津波直後のクラゲ大発生を検知~

2011年東北地方太平洋沖地震の際に発生した津波の後の生物群集の変遷を、気仙沼の舞根湾をフィールドに調査してきた。石油由来の芳香族炭化水素を多く含む層の直上で、クラゲのDNAの含有量が最大となることが確認できた。気仙沼では、津波の際に多量の石油が流出しています。これもふまえると、津波による一時的な環境劣化で、クラゲの大発生が起きていたことがわかる。
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水陸両生の水草ミズハコベが姿を変える仕組みを解明

オオバコ科の水陸両生植物ミズハコベが、水中と陸上とで葉の形を変える現象「異形葉性」の分子基盤を明らかにした。
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クジラの神経で環境汚染物質の毒性を知る

カズハゴンドウの体細胞を神経細胞へ直接分化誘導することに成功し、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)の代謝物(4’OH-CB72)をこの誘導神経細胞に曝露した結果、能動的な細胞死(アポトーシス)が観察された。
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2021年度の種子島アカウミガメ保全調査を実施 産卵目的の回帰周期などをデータ化し、生態の解明につなげる

6月下旬の8日間に26頭の親ガメと、計20回の産卵を確認した。産卵のため上陸する個体数が減少していることがわかり、普段は太平洋でプランクトンを食べて回遊する体長80cm以下のメス個体が減っており、東シナ海を中心とした大陸棚で、海底近くに生息するエビなどの栄養価の高い底生生物を食べている大型個体の割合が多くなっているという実態が明らかになった。
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冬眠哺乳類の低温耐性にビタミンEが関わることを発見~臓器移植・臓器保存への貢献に期待~

冬眠する小型哺乳類シリアンハムスターが冬眠の際の低体温に耐えるためにビタミンEを肝臓に高い濃度で保持することを明らかにした。
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植物が生長とストレス応答を切り換える仕組みを解明

劣悪環境に置かれた植物が生長戦略を切り換え、環境ストレスに対する適応能力を最大化させる仕組みの一端を明らかにした。
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海鳥の目線で海洋ゴミの分布とアホウドリへの影響を調査 ~採餌海域内にゴミ、誤食を懸念~

クロアシアホウドリ13羽にGPSとビデオカメラを取り付け、取得したデータを解析したところ、約7割の個体(13羽中9羽)が、発泡スチロールやプラスチック片、漁網などの海洋ゴミに「遭遇」していた実態が明らかとなった。
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