有機化学・薬学

国内初の医師主導治験による分子標的治療薬とコンパニオン診断薬の同時開発・同時薬事承認 有機化学・薬学

国内初の医師主導治験による分子標的治療薬とコンパニオン診断薬の同時開発・同時薬事承認

北海道大学病院が主導したHER2陽性の根治切除不能な進行・再発唾液腺癌を対象とした、国内第Ⅱ相・医師主導治験の結果による承認。標準的な薬物療法が確立していない唾液腺癌に対して、個別化治療のアプローチによる初の医薬品として抗HER2薬「ハーセプチン」適応拡大の承認。治療薬と同時に、治療薬の適応判定を補助するコンパニオン診断薬の承認
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に重要な腫瘍進展機構を新たに同定 有機化学・薬学

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に重要な腫瘍進展機構を新たに同定

IPMNは健診などで膵のう胞(液体が貯留した病変)として偶然見つかる膵臓癌のリスクとなる病変であり、近年患者数が増えています。患者由来の生きたIPMN培養モデルを世界に先駆けて構築し、先進的なゲノム・エピゲノム解析を統合駆使することで、(1)IPMNが進展する初期の段階から特有のエピゲノム制御機構が疾患を形成していること、(2)その責任分子としてMNX1・HNF1Bを同定し、IPMNの新たな治療標的となる可能性を発見しました。
血液がん治療薬をがん免疫療法薬として新たに展開~抗CCR4抗体(モガムリズマブ)を用いた新規免疫療法の可能性を示唆~ 有機化学・薬学

血液がん治療薬をがん免疫療法薬として新たに展開~抗CCR4抗体(モガムリズマブ)を用いた新規免疫療法の可能性を示唆~

血液がんの治療に使用される分子標的薬の抗CCR4モノクローナル抗体(モガムリズマブ)を、固形がん患者さんに対しては規定の投与量より減らし適正化することで、新たな免疫療法(併用療法)として治療の奏効が期待できることを見出しました。
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がんの多剤排出の原因となっているABCトランスポーターの立体構造をSACLAのX線自由電子レーザーを用いて決定 有機化学・薬学

がんの多剤排出の原因となっているABCトランスポーターの立体構造をSACLAのX線自由電子レーザーを用いて決定

SACLAの非常に強力なX線自由電子レーザー(XFEL)を用いたシリアルフェムト秒構造解析(SFX)により、様々ながんにおける多剤耐性の原因であり、医薬学研究において重要なABCトランスポーターの立体構造を2.22Åの高分解能で決定することに成功しました。
C型肝炎の経口治療薬が肝がん治療後のがんの進行リスクを低下させることを明らかに 有機化学・薬学

C型肝炎の経口治療薬が肝がん治療後のがんの進行リスクを低下させることを明らかに

C型肝炎ウイルスの感染がある初期の肝がん患者に対して、がんの治療後に経口治療薬(DAA)治療によりC型肝炎ウイルスを排除することで、肝がん再発後の進行リスクを低下させることを初めて明らかにしました。さらに、肝がんの治療頻度、死亡リスクも低下させることを明らかにしました。DAA治療が肝がん治療後の患者にも有益性が高いことが示されました。
「リンパ球制御を可能としたヘテロ核酸の開発」~多発性硬化症など自己免疫疾患の治療に大きな進歩~ 有機化学・薬学

「リンパ球制御を可能としたヘテロ核酸の開発」~多発性硬化症など自己免疫疾患の治療に大きな進歩~

独自に開発した核酸医薬である「DNA/RNAヘテロ2本鎖核酸(HDO)」により、従来の核酸医薬では効率的な遺伝子制御が困難であったリンパ球の内在性遺伝子の制御を、ビタミンEを結合したヘテロ核酸(Toc(VE)-HDO)を用いることにより可能としました。多発性硬化症モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスやマウス移植片対宿主病(GVHD)モデルにおいて、α4β1インテグリン(VLA-4)を標的としたヘテロ核酸(Toc(VE)-HDO)の投与により表現型の改善を認めました。また、従来のアンチセンス核酸と比較して、ヘテロ核酸はリンパ球への多様な送達メカニズムを有する特徴がわかりました。
サルモネラ菌の休眠・薬剤耐性に関与するタンパク質の機能を解明 有機化学・薬学

サルモネラ菌の休眠・薬剤耐性に関与するタンパク質の機能を解明

病原性細菌の一種であるサルモネラ菌(Salmonella Typhimurium)のパーシスター細胞の形成誘導に関与するTacTタンパク質が、特定のアミノアシルtRNA注1)をアセチル化修飾し、それによりタンパク質合成を阻害する分子機構を明らかにしました。
光合成色素を使って近赤外蛍光タンパク質を明るくすることに成功 有機化学・薬学

光合成色素を使って近赤外蛍光タンパク質を明るくすることに成功

近赤外蛍光タンパク質iRFPの発色団として、今まで知られていたビリベルジンだけではなく、光合成色素として知られるフィコシアノビリンが使用できることを新たに発見しました。ビリベルジンよりもフィコシアノビリンを用いた方が、iRFPの蛍光が明るくなることがわかりました。ビリベルジンやフィコシアノビリンを代謝により合成することができない分裂酵母細胞においても、それらの色素の合成酵素を発現させることでiRFPの蛍光強度を増強させることに成功しました。
新規赤色蛍光ドーパミンバイオセンサーの開発 〜ドーパミンとノルエピネフリンの同時可視化に成功〜 有機化学・薬学

新規赤色蛍光ドーパミンバイオセンサーの開発 〜ドーパミンとノルエピネフリンの同時可視化に成功〜

赤色蛍光タンパク質を用いたドーパミンバイオセンサー「R-GenGAR-DA」の開発に成功しました。この赤色蛍光ドーパミンセンサーのドーパミンに対する高い選択性を利用し、既報の緑色蛍光ノルエピネフリンバイオセンサーと共に用いることで、ひとつの細胞でドーパミンとノルエピネフリンを同時に可視化することに成功しました。
植物の免疫応答を抑制する化合物を発見~植物免疫応答を解明するための新たなツール~ 有機化学・薬学

植物の免疫応答を抑制する化合物を発見~植物免疫応答を解明するための新たなツール~

ヒトの非ステロイド性抗炎症薬であるテノキシカムに植物の免疫応答を抑制する作用があることを発見しました。新たに化合物ライブラリーから植物の免疫応答を抑制する化合物として、化学構造の類似した3種類のオキシカム系非ステロイド性抗炎症薬(テノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム)を同定しました。さらに、テノキシカムが細胞内の酸化還元状態を酸化側に傾かせること、そしてサリチル酸で発現が上昇する遺伝子群を広範に抑制することを示し、サリチル酸のシグナル伝達機構の一端を明らかにしました。
補酵素NADとSAMを縮合する画期的な新奇酵素の発見 有機化学・薬学

補酵素NADとSAMを縮合する画期的な新奇酵素の発見

アルテミシジン生合成経路を同定し、その生合成中の初発反応として、補酵素β-NADとSAMを基質として受け入れ、二回のC-C結合形成により、ジヒドロアザインダン生成物を与える新規生合成酵素SbzPを同定しました。生体内での酸化反応の補酵素として広く知られているβ-NADを、天然物の基本骨格生合成反応の基質として受け入れ、生成物を与える酵素としては、最初で唯一の報告になりました。
小児難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ投与後の寛解維持療法の開発 有機化学・薬学

小児難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ投与後の寛解維持療法の開発

小児期に発症する難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群を対象に、多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験を先進医療Bの枠組みの中で実施し、免疫抑制薬のひとつであるミコフェノール酸モフェチル(MMF)がリツキシマブ投与後の寛解維持療法として有効であり、安全性も許容範囲内であることを明らかにしました。
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