京都大学

有機化学・薬学

二次元膜粘性の分子論的起源を解明~創薬及び生体膜などの機能制御への応用の可能性~

脂質分子の尾部(疎水性の炭化水素鎖)の運動を中性子とX線分光法で観察することにより、モデル生体膜の粘度を測定する新しい方法を開発した。さらに、膜粘性の分子的起源は脂質分子が周辺の分子との相互作用によって受ける脂質分子間の摩擦であることが実証された。
生物環境工学

堆積物の環境DNAで探る過去の出来事~津波直後のクラゲ大発生を検知~

2011年東北地方太平洋沖地震の際に発生した津波の後の生物群集の変遷を、気仙沼の舞根湾をフィールドに調査してきた。石油由来の芳香族炭化水素を多く含む層の直上で、クラゲのDNAの含有量が最大となることが確認できた。気仙沼では、津波の際に多量の石油が流出しています。これもふまえると、津波による一時的な環境劣化で、クラゲの大発生が起きていたことがわかる。
医療・健康

精子形成促進分子GDNFの制御機構の解明~男性不妊治療への応用に期待~

精子形成の促進分子であるサイトカインのグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)の発現制御メカニズムを明らかにした。
ad
細胞遺伝子工学

転写因子HAND1とHAND2の発現パターンと役割の解明

トリプルレポーターiPS細胞株を作製し、心筋細胞への分化誘導過程の初期においてHAND1陽性細胞は心筋前駆細胞を示すこと、後期では、HAND1陽性細胞は高い増殖能を示し、HAND1、HAND2、LEF1が細胞増殖を制御していることを示した。
細胞遺伝子工学

強害水田雑草コナギの除草剤抵抗性進化の特徴的なパターンを解明

コナギは日本で一般的な水田雑草、ALS遺伝子の数が他の雑草よりも多く、5つあることが同グループの解析で明らかにされていた。抵抗性の疑いのある100以上のコナギ集団を収集し、除草剤反応や遺伝子の解析を行い、抵抗性進化に利用される遺伝子は5つのALS遺伝子のうち、発現量の高い2つのみであることを明らかにした。
医療・健康

霊長類においてウイルスベクターを用いた痛覚神経への遺伝子導入に成功

アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いて、小型霊長類であるコモンマーモセットの痛覚神経へ選択的に遺伝子を導入することに成功した。
医療・健康

世界最大の新型コロナウイルス感染症のゲノムワイド関連解析にアジア最大のグループとして貢献

コロナ制圧タスクフォースの活動は、国際共同研究グループと共に研究を進めています。世界で最大の新型コロナウイルス感染のホストゲノム研究であるCOVID-19 Host Genetics Initiative に、アジアで最大の研究グループとして参加し、COVID-19の重症化に関わる13箇所の遺伝子多型(バリアント)の発見に貢献した。
有機化学・薬学

抗体を液滴に濃縮し細胞内へ高速輸送

水中に存在する高分子が相互作用により集合し、高分子を多く含む相と希薄な相の2相に分かれる現象、液-液相分離を活用して、抗体などのタンパク質と高分子細胞内送達ペプチドを液滴内に濃縮することで、細胞内に効果的に輸送する手法を開発した。
生物工学一般

サナダユムシの本体、88年ぶりに採集成功~干潟の深い巣穴に住む世界最大のユムシ~

サナダユムシ Ikeda taenioidesは世界最大種のユムシで、2m以上にもなるテープ状の極めて長い口吻と65cm以上にもなる体幹部(本体)を持ちます。日本固有種で、干潟の砂泥に深い縦穴を掘ってその中に生息する。瀬戸内海の干潟にて採集に成功した。本体の採集成功は88年ぶり。採集標本が吟味され、体色の変異や繁殖様式について新たな知見が得られた。
有機化学・薬学

メラトニン受容体のシグナル伝達複合体の構造を解明

睡眠薬ラメルテオンとGiタンパク質三量体が結合したメラトニン受容体MT1のシグナル伝達複合体の立体構造を解明することに成功した。受容体の活性化に重要なラメルテオンとの相互作用を特定した。さらに、他のシグナル伝達複合体との構造比較から、Gタンパク質の共役選択性を特徴づける受容体の細胞内側の空間的な特徴を見出した。
有機化学・薬学

凝集抑制剤としてのATPの機能を解明~ATPが神経変性疾患の発症を抑制する~

アデノシン三リン酸(ATP)とタンパク質との非特異的な弱い相互作用を原子レベルで検出することに世界で初めて成功した。
生物化学工学

悲観的意思決定の大規模脳ネットワークに関する仮説を提唱

これまで、サルを用いた実験により、不安の根源である悲観的な意思決定の誘発に、線条体ストリオソーム構造と前頭皮質の局所の経路が関与していることを示してきた。これらの知見を関連する文献と照らし合わせ、悲観的意思決定の脳内ネットワークについての仮説を提示した。
ad
タイトルとURLをコピーしました