東京大学

生物工学一般

先祖の経験を学ぶと、進化は加速する:学習が進化に与える影響を考察する数理的枠組みを構築

進化と学習の関係を扱う新たな数理手法を構築することで、先祖の経験を生物個体が学習し、先祖をまねた形質を選択すると仮定すると、ランダムな突然変異のみを考慮した場合よりも、進化が加速されることを数理的に明らかにした。学習による進化の加速を定量化する方法として、フィッシャーの基本定理を拡張した。
細胞遺伝子工学

タンパク質の設計図を壊さないようにDNA切断を修復する新たな仕組みを発見

タンパク質RAP80が、DNA修復中に形成された不安定なR-loop構造の崩壊を防ぐこと、さらにRAP80が機能しないと、不安定なR-loop構造の崩壊に伴ってタンパク質の設計図に異常が増えてしまうことを発見しました。RAP80によって保護されたR-loop構造は、BRCA1、Polθ、 LIG1/3を介してDNA切断を正確に修復することも明らかとなりました。
生物化学工学

「授乳」をするサメ ホホジロザメに新発見‼ ミクロな観察からミルク分泌の仕組みが明らかに!

子宮から白色の液体(子宮ミルク)を分泌し胎仔を育てるホホジロザメの子宮表面を細胞レベルで観察しました。ミルク成分を含む子宮表面の細胞が「破裂」することでミルクが子宮内に放出されていることが判明し、哺乳類とは大きく異なるミルク分泌の仕組みであることを明らかにしました。
ad
生物化学工学

虫の飛行を司令する細胞を発見

モデル生物であるショウジョウバエにおいて、動物行動学と光遺伝学の手法を用いることで、昆虫脳において、飛行を司令する一群の神経細胞群を特定しました。動物の飛行を司令する脳経路を特定した初めての報告となります。
有機化学・薬学

排尿障害治療剤ハルナールの医薬有効成分タムスロシンの連続合成を達成

尿路結石や前立腺肥大症に対して用いられる排尿障害治療剤(商品名:ハルナール)の医薬有効成分であるタムスロシンの連続合成を達成した。
有機化学・薬学

腸と皮膚の新たなクロストーク:腸内細菌叢を変えて皮膚の健康に影響を及ぼす脂質分解酵素の発見

腸管内腔に分泌されるリン脂質分解酵素の一つであるIIA型分泌性ホスホリパーゼA2(sPLA2-IIA)が、腸内細菌叢のバランスを変えることによって、皮膚がんや乾癬などの皮膚疾患に影響を及ぼすことを発見しました。
有機化学・薬学

改良型オキシトシン経鼻スプレーに自閉スペクトラム症中核症状に対する改善効果

改良したオキシトシン経鼻スプレーの医師主導治験を実施し、自閉スペクトラム症の中核症状に対する初の治療薬として期待される改良型オキシトシン経鼻スプレーの有効性と安全性を示しました。
細胞遺伝子工学

オペロン構造の進化過程の実証実験に成功

原核生物のゲノムに普遍的な挿入配列と呼ばれる配列によって、オペロンを形成する進化が駆動されるとする新たな仮説を提唱しました。大腸菌を実験室で挿入配列の活性が高い条件で培養することで、仮説通りにオペロンが形成されうることを実証しました。今まで未知であった原核生物のオペロンの形成メカニズムの一つを、進化過程の観測によって初めて実証した研究です。
有機化学・薬学

白血病の原因となるタンパク質に結合するペプチド阻害剤を理論的に設計

白血病の一因となるタンパク質に強く結合するペプチド阻害剤を理論的に設計しました。ペプチドが持つ、らせん構造の安定性を理論的に予測することで、標的タンパク質への結合を強めることに成功しました。ペプチドを用いた医薬品開発への応用が期待されます。
生物工学一般

体が分岐する環形動物の新種発見:佐渡島のキングギドラシリス

佐渡島近海における潜水調査により、体が分岐する新種の環形動物を発見し、キングギドラシリスと命名した。左右相称の動物において、体幹部が分岐する体制をもつものは極めて稀である。本種の体は尾部に向かって幾度も分岐し、宿主となるカイメンの中で縦横無尽に張りめぐらせている。
生物環境工学

高度な社会性を持つシロアリのゲノム情報を解読 〜遺伝子重複が社会性進化の原動力であることを明らかに〜

「ヤマトシロアリ」のゲノム情報の解読および、カースト別の大規模遺伝子発現解析に成功しました。シロアリの社会性の進化には遺伝子の重複が重要な役割を果たしていることが明らかになりました。重複した遺伝子はカーストごとに発現パターンが異なる傾向があることがわかりました。重複遺伝子には、化学コミュニケーションや社会的免疫・防御などの社会性に関連する機能を持った遺伝子が多くみられました。
医療・健康

核医学もつれガンマ線によるpHイメージングに成功~スピンを用いて化学状態を非侵襲で観測~

核医学診断薬剤を用いた生体内局所pHの検出・可視化技術を確立した。薬剤集積に加えて、高次情報である局所化学環境のガンマ線を用いた非侵襲観測を可能にした。悪性腫瘍等の生体内微小環境の検出により診断の高精度化が可能になるとともに、体内化学環境を体外から観測するプラットフォーム技術として期待される。
ad
タイトルとURLをコピーしました