東京大学

生物化学工学

植物の組織修復と接ぎ木における器官再接着に必要な転写因子を発見

モデル植物のシロイヌナズナを用いた研究によって傷口の治癒と器官の再接着に必要な転写因子「WOX13」を発見しました。WOX13はコケ植物でも傷害によって誘導される細胞リプログラミングに必要であることが知られており、本研究は傷害応答と器官再生を制御する仕組みの進化を理解するうえでも重要な知見です。
細胞遺伝子工学

脳型ドレブリンを指標としたヒトiPS細胞由来神経細胞のシナプス成熟評価法の開発とシナプス形成過程の解明

脳型ドレブリンを指標としたシナプス成熟評価法を開発し、ヒトiPS細胞から分化誘導して作製したヒトiPS細胞由来神経細胞のシナプス成熟過程の詳細な解析とその成熟度評価を行い、その特徴を明らかにしました。また、多施設間バリデーション試験を実施し、頑健性を有するヒトiPS細胞由来神経細胞の分化誘導法の開発に成功しました。
医療・健康

メタボリックシンドロームを制御する代謝産物センサー分子を発見

細胞内の代謝の過程で生じる代謝産物とそれに反応する代謝産物センサー分子を用いると、メタボリックシンドロームの病態が適切に説明できることを見いだし、これが新しい治療標的になり得ることを示しました。
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細胞遺伝子工学

組織の細胞集団に潜む幹細胞のエピゲノム解析手法を開発 ~がん組織の精密プロファイリングに成功~

一辺3ミリ 厚さ10マイクロメートル程度の小さな組織切片に含まれる少数の細胞集団から、高感度かつ高精度なエピゲノム情報を抽出する技術を発表しました。「クロマチン挿入標識(ChIL)法」を基礎として、組織をターゲットとした解析法を開発しました。
医療・健康

SARS-CoV-2ミュー株(B.1.621系統)は ワクチン接種者が保有する中和抗体に対して極めて高い抵抗性を示す

新型コロナウイルスの「注目すべき変異株」の1つである「ミュー株(B.1.621系統)」が、新型コロナウイルスに感染した人、および、ワクチンを接種した人の血清に含まれる中和抗体に対して、極めて高い抵抗性を示すことを明らかにしました。
医療・健康

「代謝経済学」によるがん細胞の代謝戦略の解明~代謝のワールブルク効果のメカニズムを 経済学のギッフェン財との対応から解き明かす~

がん細胞などが、エネルギー生成効率の低い代謝経路を主に用いるという、ワールブルク効果と呼ばれる一見不合理な挙動を普遍的に示すことに着目し、経済学との対応を探りました。細胞内代謝系のふるまいを、ミクロ経済学における消費者行動の理論の視点から捉えることで、ワールブルク効果についての既存の仮説をひとつの数理モデルに統合できることを示した。「代謝経済学」という新たな学術分野への道を拓いた。
細胞遺伝子工学

NIESカルチャーコレクションのシアノバクテリアの網羅的かつ高精度なゲノム解析に成功

NIESが保管する28株のヘテロシスト形成株と3株の非形成株,あわせて31株のシアノバクテリアの高精度なゲノム情報の整備に成功しました。ゲノム解析株はNIESカルチャーコレクション(国立環境研究所 微生物系統保存施設),ゲノム情報は国立遺伝学研究所の参画する国際データベースをそれぞれ通じて全世界に公開されています。
生物化学工学

キク属モデル系統の高精度全ゲノム塩基配列を決定~栽培ギク品種育成におけるゲノム情報の活用へ~

栽培ギク(六倍体)によく似た性質を持つ日本原産の二倍体種・キクタニギクの純系化系統(Gojo-0)の高精度全ゲノム塩基配列を取得することができました。
医療・健康

犬の膀胱癌の治療標的を発見!!~新たな免疫療法の臨床試験を開始~

腫瘍免疫療法の新しい標的IDO(インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ)1と呼ばれる分子が、種々の犬の固形腫瘍組織において過剰発現していることを発見しました。半数の犬固形腫瘍種において、腫瘍組織内に浸潤している免疫細胞にIDO1の過剰発現を認め、さらに、いくつかの腫瘍種では腫瘍細胞においてもIDO1の過剰発現を認めました。
細胞遺伝子工学

メタゲノムからウイルスゲノムを洗い出せ! ~細胞の免疫記憶を使ったウイルスゲノムの網羅的検出~

原核生物の「免疫記憶(CRISPR)」を利用してメタゲノムデータからウイルスのゲノム情報を検出する方法を開発しました。既知のウイルスのゲノム情報に依存しないでメタゲノムからウイルス由来と思われる配列を網羅的に検出し、さらにその宿主の推定を可能にします。ヒト腸内メタゲノムから未知の配列を含む多様なウイルスのゲノム情報を検出することに成功しました。
生物工学一般

くるくる泳ぐ微生物 螺旋軌跡の3Dイメージング ~マイクロロボットの設計に向けて~

独自に開発をしてきた三次元位置検出光学顕微技術を用いて、繊毛虫テトラヒメナが右手系の回転をしながら右螺旋を描くように遊泳していることを定量し、またCa2+刺激により螺旋遊泳パターンが揺らぐことを明らかにしました。
生物化学工学

未熟な行動出力の感覚フィードバックを介した運動回路の自己構築

遺伝子操作によりショウジョウバエの体性感覚を担う神経細胞の機能を特異的に阻害することで、運動経験の感覚フィードバックが運動回路の発達に必須であることを初めて示しました。さらに、感覚フィードバックが働きかける神経回路を同定し、この神経回路が自発的な活動により感覚フィードバックを促すことを示しました。
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